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次第に陰口は陰湿ないじめへとヒートアップしていった。隣の人に机を離された。持ち物がなくなった。教科書は破かれ、落書きだらけにされた。集合写真の僕の顔に画鋲が刺された。後ろからゴミを投げつけられた。すれ違う度に悪口を言われた。黒板にチョークで大きな字で悪口を書かれた。もう数え切れないくらいのいじめを受けた。 「あいつなんか、死ねばいいのに」 そう言われる毎日。ナイフでえぐられるような言葉。僕の心は限界だった。苦しくて辛くて……それでも母親や先生に言えなかった。言う気力もなかった。だって生きる意味がわからないから……。でも死に方もわからない。僕にとって生き地獄だった。 ある日の休み時間、席に座っているとまた悪口が始まった。 「さっきのあいつの声、聞いた?」 「先生に当てられた時のだよな?」 「そうそう、超キモかったよな!」 「わかる!てか小さすぎて聞こえねぇんだよ」 いつものこと。痛む胸を強く押さえつけて、早く時間が過ぎるのを願っていた。しかし、悲劇は襲いかかってきた。 ある男子生徒がいきなり僕に触れてきた。優しくではなく、ガツッと肩を掴まれるように。慌てて振り向くと、そいつは急いで逃げていった。 「誰か!日比谷の菌をつけてやるっ!」 大きな衝撃が体に起こった。体中が震えて、自分が惨めで、何も言い返せなくて……誰も助けてくれなくて……。 「うわっ、汚ぇ!」 「やめろよ、近づけんな!」 「やだ!つけてこないで!」 みんな楽しそうに、僕の菌をなすり付け合っている。教室中を走り回って、僕を汚いもの呼ばわりして……。 僕は汚い。醜い。気持ち悪いし、生きている価値もない。 僕は何のために生まれてきた?誰からも愛されず、避けられ、罵られ……。もう、僕なんて死んだ方がいいんだ……っ! その瞬間、胃から全てが込み上げてきた。不快感が体を締め付け、座っていられなくなった。 「うっ……おぇっ…………!」 僕はよろけて椅子から落ち、胃にあるもの全てを吐き出した。汚い音を立てて吐瀉物が床に打ち付けられる。酸っぱいものも、苦いものも苦しいものも全部。吐いても吐いてもまだ治まらない。 「きゃー!!」 「汚い!何やってんの!?」 「マジ最悪!!」 「逃げろ!!」 それでも、心配してくれる人なんていない。僕は嫌われ者だから。みんな僕なんて死ねばいいって思ってるから。

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