静まる部屋の中で、舌を絡める音だけが響く。 哀沢くんはキスをしながら俺をベッドに押し倒し、慣れた手付きで俺の制服のボタンを外していく。 胸がドキドキする。 哀沢くんにこうして触れてもらえるなんて。 ただ、哀沢くんは何の感情も無いけれど。 それでもいい。 哀沢くんの温もりが欲しいんだ。 唇が温かくなる。 「ん…ふ、ぁ…」 哀沢くんのキスは激しくて、しばらく舌を絡めてキスをしたあと唇は俺の首筋を吸い付き、鎖骨を舐め、乳首へと移動した。 乳首を舐めながら哀沢くんが言う。 「息あがってるぞ。下に聞こえるから黙れよ」 「だっ、てぇ…んっ！」 そう言っても行為は辞める気配がない。 乳首に吸い付きながら、自分の指を俺の口の中に入れて掻き混ぜる。 「ふぁ…んっ、ん！」 俺は必死にその指を舌で絡ませて吸い付いた。 哀沢くんはそれを楽しむかのように指を動かす。 そして乳首を舐めながら、余った手で俺のズボンを下げた。 硬くなった俺のモノをゆっくり扱いた。 「あっ！アァッ！ん…ふ…アッ！」 「こんなに濡らしてんじゃねぇよ。ヤラしい」 そして哀沢くんは自分のズボンを下げて、俺の顔にモノを近付けた。 「俺が好きなんだろ？出来るよな？」 俺は頷いて哀沢くんのモノを口に含んだ。 そして哀沢くんは俺に馬乗りになって、69の体制になった。 哀沢くんが俺のモノを扱きながら舐める。 「アァッ！ん、気持ちぃっ！哀、沢くん…アッ！ん」 「口が疎かになってるぞ。ちゃんとくわえろ」 そう言われて下半身に快感を感じながら必死に哀沢くんのモノをくわえた。 それでも哀沢くんの口の動きに耐えられない自分がいた。 好きな人が…哀沢くんが、俺を気持ち良くさせてくれてるんだと考えただけで興奮した。 「だ…めっ！ん…イクッ！いっちゃ―…アァッ！」 俺は哀沢くんの口の中に精液を出した。 それを哀沢くんは手に出して、俺の秘部に指を入れた。 「力抜けよ」 意識が朦朧として、力なんて入らない。 哀沢くんの指がゆっくり入ってくる。 精液と唾液を使って広げながらゆっくりと指を奥まで到達させる。 「アッ！ん…は、アァッ！」 「奥触られるのがイイのか？」 「う、ん…アァッ、い！イイッ」 時間をかけて指で解すと、哀沢くんは指を抜き、自分のモノを俺の泌部に押し当てた。 そして正常位で俺を攻める。 「あっ、アァッ…入っ、たぁ…アッ、んんッ！」 ゆっくり哀沢くんが俺の中を占領した。 本当に繋がっていることが嬉しかった。 哀沢くんはゆっくりと腰を揺らす。 「あっ、アァッ…は、アッ…ンン…」 「声抑えろよ？じゃなきゃ抜く」 「抜いちゃ…や、だっ…」 俺は声を出さないように、哀沢くんの首に手を回してキスをした。 まるで恋人同士のように。 哀沢くんはキスをしながら手を握ってくれた。 恋人同士みたいなのに。 『俺は山田を大切だなんて思ったことは1度も無い』 感情は一切無い。 環境に惑わされて「好き」と言ってしまいそうで、 抱かれて嬉しいはずなのに、涙が零れた。 こんなにも苦しいなんて。 好きだよ哀沢くん。 君にはこの言葉はタブーだから言えないけど、 好き。 大好き。 「アッ、ん…あい…ざわく！ん、イ、ク…！イクッ」 「―…！」 そして俺と哀沢くんは同時に果てた。