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18.相馬の風邪1
相馬が学校を休んだ。
授業中から赤い顔をしていたから、部活を休むように言ったんだ。
なのにあいつは、俺が体育館でバドミントンに励んでる隙に、こそこそテニス部の活動に参加して……。
結局、高熱を出して休んでるんだから、言わんこっちゃない。
当たり前だ。外気にさらされて、直射日光を浴びて、暴れ回ってるんだから。
バド部休んででも、連れて帰るんだった。
相馬がいない席を見る度、苛々する。
あいつにも怒ってるし、自分に対しても腹が立つ。
こんな日に限って授業は6時間だわ、6時間目は無駄にロングホームルームだわ。
HRがようやく終わり、担任が廊下に出るのとほぼ同時に教室を飛び出した。
早いとこ、文句の一つも言ってやらないと気が収まらない。
「あれ?角谷、部活は!?」
ラケットもユニフォームも持ってない俺に、バド部で一緒の佐々木が声を掛けてきた。
同じクラスの青木には伝えたけど、
「休む!」
食い気味に答えて、そのまま佐々木を振りきった。
そして駅まで走り、駅からまた走り、レギュラーじゃない分、基礎練の多さで培われた体力で、最短時間で相馬の家へと辿り着いたわけである。
だから、相馬のベッドに腰掛けてゼエゼエ言ってるのも、顔が紅潮してるのも、身体が汗ばんでいるのも、俺の所為じゃない。
全部、こいつの所為だ。
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