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21.相馬の風邪4
パジャマの胸元を掴むと、相馬の顔が少し下がった。
不思議そうに見つめてくる、その表情がたまらなくて、
───唇を寄せた。
熱い唇から、熱い息が漏れ出す。
熱があるのに、起こしちゃってごめん。
お前のこと、こんなに好きになってごめん。
想いを込めて、唇を押し当てる。
好きだって気持ちなんか、伝わらなくていいんだ。
俺はただ、お前と一緒にいられれば、それでいいんだ。
だから、そのまま俺を好きだと勘違いしていて。
もう、誰のものにもならないで………
相馬の手が、肩に回された。
奪っていたはずの唇が、奪い返される。
「…ん……っ…ふ…ぁ……」
あっ……舌、絡んできた…。
ずるい…。俺がしたかったのに…。
相馬の好きにされちゃう……。
舌を強く吸われて、頭が朦朧としてきた。
力が抜けて、引き寄せられるがまま身を任せる。
「角谷、すごく可愛い顔してる」
唇を離した相馬が、のぞき込んでくる。
「気持ちよかった?」
「ん……」
導かれるように頷いて、もう一度───と唇を寄せようとして、
………ハッと意識を取り戻した。
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