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25.颯斗兄と壱哉さん1
お昼ご飯を食べて、しばらく颯斗兄と話していたけれど、いつの間にか眠ってしまっていたらしい。
ぼそぼそと聞こえる声で、うっすらと目が覚めた。
颯斗兄と…誰だろう……?
「おい、俺は一翔を連れてこいって言ったよな?」
かずと…?相馬のこと……?
じゃあ、もう一人は壱哉さん…?
「颯斗?そんなに怒ってたら美人が台無しだぞ?」
あぁ…確かにこれ、壱哉さんの声だ。
「あんまり目くじら立てないで?ね、ハニー?」
ハニーって…誰のことだ……?
「…誰がハニーだ。一翔諸共粉々にすんぞ」
「ごめん!俺が悪かったから、一翔のことは許してやって!あいつホントに馬鹿なんだよ」
うん…、確かに相馬は馬鹿だ。
「声デケーんだよ。馬鹿はテメェだ。睦月が起きちゃうだろーが。テメェの所為で具合悪ぃんだぞ。俺の可愛い弟泣かせやがって。…潰すぞ」
「そんな…。颯斗だってこれが無くなったら欲求不満で死んじゃうだろー?」
「死なねぇよ。テメェが死ねッ!」
「あぶなっ、ちょっ、本気で蹴り入れた?今!」
「チッ…、避けやがって」
「颯斗っ、愛してるから暴力はやめて!ほら、仲直りのちゅーしよ?」
「……仲直りはしねーぞ」
「はいはい。目、つぶって。……好きだよ、颯斗」
なんだ、これは……?
なんなんだ……?
相馬んとこの壱哉さんが、うちの颯斗兄の肩に手をかけて、顔を近づけて………
颯斗兄も全然嫌がってなくて、目ぇ瞑って顔を上向けて。
───なんで2人が、キスしてるんだ……?
「颯斗、口開けて」
「ん…」
…あぁっ、なんだかくちゅくちゅ聞こえてきた……っ!!
「…は…んっ……ゃっ……ふぁ…っ」
颯斗兄が、なんかエロい声出してるんだけど…!!
これは……つまり、そういうわけで……
「颯斗ぉ、ヤバい…勃っちゃった」
「っ……ばかっ、普通にしろっ」
腹を蹴られた壱哉さんが、足のあたった部分を押さえてうずくまった。
「普通って…、いつもこんぐらいフツーにやってんでしょーが」
ケホッとひとつ咳き込んで、仰向けに座りなおす。
颯斗兄はもう一度軽く壱哉さんの胸元を蹴りつけて、それからベッドを見上げて、
「いつもと違うだろ。今日は同じ部屋で睦月が寝て…て………」
───目が、合った………。
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