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立たされた境地07
ベッドに横たわる。
類沢は一時間程してそっと出て行った。
泊まるつもりは無かった。
ただ、気になったから。
何を考えているのか。
なにがあったのか。
ただ、それだけ。
金原に言ったら殴られるかもしれない。
油断し過ぎだって。
馬鹿かって。
類沢のしたこと思い出せって。
布団をギュッと握る。
違うんだ。
俺、やっぱり変なんだよ。
金原。
アカ。
足音がする。
次にソファーに座る音。
また月を見ているのかな。
煙草を吸いながら。
こんなことを想像する自分が酷く滑稽だ。
三カ月前には無かった自分。
いや、多分二週間前までは無かったんだ。
類沢のことが気になる。
過去が気になる。
類沢と関わった青年が気になる。
寝てしまえ。
そしたら朝になる。
学校に行く。
日常が戻って来る。
あぁ、そうだ。
明後日は終業式。
もう、冬休みに入る。
高校最後の休み。
何かが起きる。
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