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俺は戦力外ですか03

「さて、お待ちかねの集計結果発表だ。今月は本当に大変だったな」  閉店して、俺と三嗣が急いで掃除を終えてから全員が集まった。  まだ息の切れているまま、輪の外側で話を聞く。  隣に一夜がやってきた。 「お疲れ」 「ありがと……はあっはあ」  三嗣は俺の反対側に。  ここに千夏がいないのが少し寂しいが、彼は類沢の右にいた。  半円の中央に。  けだるそうにアカも立っている。  髪の色ですぐどこにいるかわかる。 「今月のNo.5までを先に発表する」  気が張り詰める。  店の入り口に飾られた写真。  あの五枚の中に、入るため。  きっと三嗣も一夜もそれを目標に頑張っている。  俺だけ蚊帳の外。 「トップは雅だ。お前ら少しは追い付いてやれ。断トツだぞ」 「そう」  興味なさそうに類沢が応じる。  彼の後ろに並ぶホスト達の眼の色が変わった。  尊敬の眼差し。  ほら。  俺のついている人はやはり凄い、って。  この期待に毎回答えるプレッシャーってどのくらいなんだろう。 「次は紅乃木だ。よく引っ張ってくれたな」 「どうも~」  類沢以外には直接給与が渡されるようだ。  分厚い封筒を受け取ってアカが微笑む。  今夜は派閥全員で飲みに行くと聞いた。  彼の奢りで。 「そして千夏。新規の客が増えたな。その調子で頼む」 「わかりました」  静かに受け取るその瞳は憂いを帯びている。  一夜が俺に耳打ちした。 「毎月紅乃木打倒を宣言しているから、辛いんだ」 「でもトップスリーなんだろ」 「入った時から紅乃木とライバルなんだよ。まだ一度も勝ってない」  二人が話しているのを見たことがないのはそれか。  お互いをなんて呼んでいるんだろう。 「晃、もう少しで落ちるところだったぞ」  不機嫌な顔をした晃が封筒を奪い取る。  それを見て篠田が首を振った。  だが、それ以上は引き止めない。 「五番手は愛だ。追い上げてるな」  輪の中に動揺が走る。  誰だろう、愛って。

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