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番外編 26歳組

※速水と相馬のお話です。速水視点となってます。 *** 眞宮組では、本家で暮らす者、眞宮の持つマンションで暮らす者がいる。 俺はどちらにも当てはまらず、自分の家で暮らしているが、今日はたまたま徹夜をすることになって晩飯を食べようと、眞宮の台所に顔を出す。 「あ、速水じゃん。お前まだ帰ってなかったの?」 「······お前の方こそ。」 「うん、俺は今日見回りあるからさ。······あ、もしかして晩飯?残念でしたー!もう空っぽ。」 炊飯器を片付けて見せてくる。そこには米粒1つ残っていない。 「俺ね、今から買い物行くんだけど、一緒に行かねえ?」 「······行く」 「うん。歩く?」 「そうだな」 どうせ夜は部屋にこもるんだし、少しくらい体を動かしておいた方がいいだろう。 「じゃあ行こうぜ。あー!腹減ったー!」 「お前も何も食べてないの?」 「食べてねえよ!ここに来たらもう空っぽだったからさぁ。」 何が楽しいのか、ふんふんと鼻歌を歌いながら隣を歩く相馬。 俺は正直、相馬が苦手だ。 いつも明るくて無邪気で、無垢なその姿はこの世界には似合わない。なのに俺と同じ仕事をしていることが不思議で仕方が無い。 「なあ何でそんなに離れてんの?」 「······別に」 「お前ってドライだよね。関西人だろ?関西人ってもっと温かいんじゃねえの?」 「関西人が必ずしも温かいと思うなよ。」 「えー、まあお前見てたらわかるけど······。」 くだらない会話をしながらスーパーに行く。思えばこうして夜ゆっくり歩くことなんて、ほとんど無くなったな。 「でもお前、梓さんには優しいよな。」 「若の恋人だからな。それに親父の甥っ子だし。」 「······本当ドライだ。あのビールよりスーパードライ。」 「面白くねえんだよ。」 相馬を睨みつけると、相馬自身が自分の言葉にツボったようでゲラゲラと笑っている。······そのまま笑い死にやがれ。

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