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第6話

志乃さんがいない間は気楽でいられるから良い。 リビングに出て、テレビをつけながらソファーに寝転がる。少しの雑音は昼寝をするのにぴったりだ。 手当をされて包帯が巻いてある手首。 溜息を吐いてそれをぼーっと眺める。 「···なんで俺なの」 帰してほしい。たった一人だけの家だけれど、こういう風に監禁されて自由にできないよりは良い。 手を下ろし、目を閉じる。 一人だからいつもよりゆっくり眠れる気がして、気が付けば眠りに落ちていた。 *** 「ん···」 目を開けたら真っ暗な部屋をつけたままのテレビが照らしていた。 「···起きなきゃ」 時間は何時だろう。ソファーから起きてリビングの電気をつける。 時計を見るとどれだけ長い間眠っていたのか、夜の9時。 焦っていたけど、確か志乃さんは日付が変わってから帰ってくるって言っていたはずだ。 「ご飯···」 お腹がすいてなくて、面倒臭いからもういいかと床に座る。志乃さんがいたらご飯は絶対食べなきゃ怒られるけど、居ないから怒られることもない。 と、思っていると、開くはずのないリビングのドアが開いて、居るはずのない志乃さんがそこに居た。 「何してる」 「···あ、ぇ···帰って、来るの、明日の朝じゃ···」 「予定してた仕事が無くなってな。···で、何してる。飯は食ったのか」 「·········」 近付いて、座る俺と目線を合わせるように目の前に座った志乃さん。 「食べてねえのか」 「···お、怒らないで、ください」 そう言うと志乃さんが溜息を吐いて俺の顔に触れる。 「食べる気は」 「無い、です」 「···風呂は」 「···さっきまで、寝てて···」 「なら今から入るぞ。」 志乃さんに抱っこされて風呂場に連れていかれる。その間に頬にキスをされて、体がビクッと震えた。

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