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第17話

立岡と話をしていると夏目がやって来た。 夏目は松岡真治が吐いた内容を事細かく伝えてくれる。 「食事を与えないことや性的暴力等、様々なやり方で傷つけていたみたいです。それで一度死にかけて、その時に防衛本能が働いてか、記憶が無いと」 「···成程。その後施設に入れて、テメェは逃げたってことか。」 「はい。」 「松岡は梓が誰の子供か分かっていたのか?」 そう聞くと一つ頷き、「知っていたと言ってました」と返事をした夏目。 今の会話を聞いて色々と察したのか、立岡は頷いて「可哀想だね」と言葉を零す。 「わかった。2人とも、このことは他言無用だ。···立岡、依頼されても言うなよ」 「わかってるよ。俺はお前に関しての情報を売ったことは無い」 「そうだな。···夏目助かった。お前はもう休んでいい。」 そう言うと、夏目は深く礼をして部屋を出ていく。 「面倒な物件だねえ。俺なら無視するかな」 「俺とお前は違う。考えている事も、梓との関係も、全部」 「そうだな。」 立岡は俺を見てニヤニヤと笑っている。 「俺はもう帰るぞ」 「えー!俺と飲もうよ」 「親父と飲んだんだろ。」 「志乃とはまだだって。いいだろー」 「無理。じゃあな」 部屋を出て、家に向かう。 梓は冴島に任せているからきっと大丈夫だとは思うけれど、不安は不安だ。 早く顔を見て安心したい。 その思いが足を早く動かせた。

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