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番外編 傷ついたので

仰向けになると志乃からキスをされた。 それはトロトロと甘くて深いキスで、今の梓を溶かすには十分すぎた。 キスに夢中になって足が広げられ抱えられたことも気にならず、また中にペニスが入ってきてから漸く「やばい」と思った。 志乃はそんなことは露知らず、白いシーツに黒髪が泳いでいる光景にドキッとした。 泣いて目元を赤くさせ、快感に耐えるために噛んでいたのか唇が赤くぷっくりとして、頬を上気させた梓の姿は最早エロいを通り越して美しかった。 ほんのりピンクに染る白い肌に白の下着が良く似合う。 ブラジャーのスリットからこっそりとこちらを覗く乳首を甘く噛んだ。 さっきまでの暴力的な快感とは違い優しく攻めると梓は甘えたような丸い声をあげる。 「あぅ、ん、はぁ、はぁー……っ、気持ちぃ……」 「梓」 「んぁっ!ぁ、志乃ぉ、ぁン、はぅ、そこぉ……ぁ、だめ、漏れ、ちゃうぅ……」 「潮吹く?いいよ。いっぱい出せ」 「アァっ、あー……ッッ!」 プシュ、プシャっと潮を吹く梓。 ああ、可愛い。志乃はそう思って背中を屈め何度も何度もキスを繰り返す。 「ぁ、しの、好きぃ」 「ははは、好きか。そうか。俺もだよ」 梓はデロデロになりながらも、心の中で深く安心した。 好きだと、俺もだと、志乃が言ってくれたことに感動して、快感のせいだけでは無い涙を流す。 きっともう大丈夫だと、そう思って。 ■ 梓が目を開けるとソファーに寝かされていた。 体はさっぱりとしていて、志乃が風呂に入れてくれたことがわかった。 けれど、その肝心な志乃がいない。 梓は起き上がり志乃を探そうとして、下半身にほとんど感覚がないのが分かり顔を真っ青にさせる。 そんな時、リビングの廊下に繋ぐドアが開いた。 梓がそちらに目を向けると、志乃が上裸のまま首にかけたタオルで髪をガシガシと拭いている姿が見えた。 「あ……しの」 「あ?何今の声。ガラガラになってる。喘ぎすぎたか?」 梓が声を出すと酷く掠れていた。そりゃああれだけ喘いでほとんど悲鳴のような声を上げていたあとだ。そうなっても仕方がない。 「風呂に入れた。ベッドは今片付けてる最中。お前はここで休んでろ。わかったか?」 「あ、でも……」 「あ?立てないだろ」 志乃は片眉をクッと上げて言う。 確かに立てなくなっている梓は一度頷いた。 その姿を見て志乃は満足気にハハ、と笑った。

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