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第24話 梓side
志乃が居なくなって、お風呂に入ろうとベッドから起きる。
お尻からドロっと中に出された精液が漏れ出てくるような気がして急いでお風呂まで向かった。
体を綺麗にした後、リビングに行ってテレビをつける。
こんなダラダラした日々を、2週間前までは送ると思っていなくて、ちょっとした罪悪感に似た感情に蝕まれるけれど、ここから出れないんだ、仕方が無い。
未だに足にある枷が、何だか悲しくてガシャガシャと手で弄ってみたけれど、外れる気配はない。
「はぁ···」
それを外すことは諦めて、ソファーに座った。
「···志乃」
呼び捨てで呼ぶようになった名前の持ち主は、街では怖がられる対象なのに、俺はこんなに近くにいて、それに敬語も使わずに会話をしている。
志乃の本心はわからないけれど、それを許されるくらいだ。自惚れかもしれないけど、俺は多分、志乃にとっての特別なんだと思う。
お尻に残る違和感。志乃に会うまでは触られることのなかったそこ。
初めは触られても気持ち悪いだけだったのに、今じゃ触られて感じてしまうんだから、だんだんと志乃の体にされてる感じがする。
「志乃の、特別···」
もし本当にそうなら、俺はこれからどうなるんだろう。
そうだ、志乃が帰ってきたら聞いてみよう。
俺は、志乃にとっての何なのか。
ドーナツを買って帰ってくるであろう志乃の姿を想像しながら、フフッと笑った。
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