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第129話 志乃side
眩しい光が目に刺さる。
ゆっくりと体を動かせば痛みに声が漏れた。
「···病院か」
上体を起こすとすぐ側の椅子に冴島が座って眠っていた。
「冴島」
「ん···っ、志乃!まずい、梓君を起こさないと!」
冴島が焦ったように隣のベッドに近づき「梓君」と声をかけている。
「梓君起きて、志乃が起きたよ」
「ぅ···志乃···」
梓がゆっくりと起き上がって、俺を見る。
「志乃···志乃が起きた···!」
目から涙を零してシーツを濡らす。
近付いてきた梓が俺に抱きついてきて、震える背中に手を回す。
「梓···」
「志乃、痛い?大丈夫?」
「大丈夫だ。」
ガーゼの付いた頬を撫でられる。
「骨、たくさん折ってる」
「そうみたいだな。」
「志乃が起きなかったらどうしようかと思った」
「心配かけて悪かった」
そう言うと梓は泣きながら首を左右に振って、俺を抱きしめる力を強くした。
「2人とも、申し訳ないんだけどとりあえず志乃のこと診てもらわないといけないから、離れようか」
冴島にそう言われ仕方なく梓から手を離す。
「早く診てもらって、それからどうなったのか教えてもらわないとね」
そんな冴島の言葉に梓も俺も一度頷いた。
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