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第144話

どれ位時間が経ったんだろう。 槙村には何度もキスをされて、肌を撫でられ、気持ち悪い行為を受けている。 「ほら、口開けて」 「んんぅっ!」 そして今はフェラをしろって槙村が自分のペニスを俺の口に押し付けてくる。汚い、気持ち悪いっ! そんなの絶対に志乃にしかしない。 睨みつけるとそれに興奮したのか、嬉しそうに笑っている。 「さっきから志乃のことを思ってるみたいだけど、色々と罠を仕掛けてるからここにはなかなか来れないよ」 「何でっ!っぐ!!」 俺が口を開けた一瞬の時に口内にペニスが入ってきて目を見開いた。 「噛んだら殺す」 「っぅ、え···」 罠、って何だろう。考えるのも嫌になって、口の中にあるそれをどうすれば吐き出せるのか試行錯誤する。 いきなり喉奥を突かれて襲ってきた嘔吐感に逆らわずにうえっと吐き出そうとしたけれど、どうやら人間はそういう時、我慢をしてしまうらしい。 「ごっ、がぁっ、ぁ···!!」 「あー、喉締まって気持ちいい」 生理的な涙が溢れ出る。 気持ち悪い、汚い。 暫くしてやっと開放されたと思えば、精液が顔面にかけられて、その趣味に引いた。 「俺ので汚れてる梓とか···最高に興奮する」 その言葉が怖くて槙村から離れ壁と体をくっつける。もう触られたくない。汚されたくない。 「逃げちゃダメだよ。」 「ぁ、や、やめろっ!」 ズルズルと引き摺られて部屋の真ん中につれて来られる。 怖い。志乃に会いたい。 「···助けて」

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