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第152話 R18
「梓、···梓、ちゃんと俺を見ろ」
快感でとんでしまったらしく、俺を見ていない梓の頬に手を当てて、じっと目を見るとゆっくりと視線が戻ってくる。
「っ、はぁ、ぁ、···し、の」
「ちゃんと息をしろ」
ちゅ、と触れるだけのキスをすると梓の口角が上がった。ゆっくりと腰を動かす。
「ぁ、あ···きもち、ぃ、···もっと、もっと奥···んぅ、ぅ、あ、ァ···!」
「···可愛い」
「んっ、ふ···志乃、志乃っ、抱きしめて···っ」
梓の言う通り、そっと抱きしめてやる。
そのまま、梓の体を起こし、対面座位になった。
「はぁ···ふ、かぃ···ここ、ここまで、届いてるっ」
「ああ」
「んっ、ん···志乃、ぎゅってして、もっと···」
抱きしめて下から突き上げる。
俺の背中に回される手。爪が皮膚を引っ掻いてピリピリとした痛みが走る。
「あっ、あぁっ!んっ、ふぁっ、あっ、あ、」
「はぁ···っ」
梓の中が痙攣し、俺のものを搾り取るような動きをする。ぐっと強く奥を突けば梓は達して、自らの腹と俺の腹を汚す。
「あぅ、きゃ、あぁっ!い、今、イッたからぁっ!ま、てぇっ!」
「待たない」
快感に塗れた顔で泣いている梓は可愛くて仕方が無い。このまま抱き潰したくなるほどに。
「はぁ、ぁ、あ──ッッ!だ、め、だめっ、でちゃうっ!いゃ、あ、出ちゃうっ!」
慌てた様子で自分のペニスを掴み首を振る梓。構わず動きを止めないでいると、プシャっとペニスから潮を吹いた。
「────ッア、ぐ、ぅ···ひっ、ぃ···」
中の締めつけに耐えられず俺も梓の中に欲を吐き出す。焦点の合っていない梓に、これ以上やるのはまずいかと1度中からモノを抜いた。
くたっと体を俺に預けて荒い呼吸を繰り返す。
「はぁ、はぁ···も、怖い···気持ち、よすぎて、怖い···」
「ならやめるか?」
「···やだっ、こ、怖いけど幸せだから···でも、もうちょっと、ゆっくり、したい···」
顔を上げた梓にキスをされる。それを受け入れて、口内に入ってきた舌を絡め取る。
「ぁふ···ん、ん」
「梓がしてほしいこと、言って」
「···いっぱい、触って、俺のこと褒めて···それから、たくさん、愛してほしい」
「ああ」
「···本当は···すぐ、来てくれると思ってたっ」
「···悪かった。」
泣いてそういう梓を抱き締めて、その髪に顔を埋める。
「なんで、来てくれなかったのっ」
「···俺の、立場のせいだ。」
「極道だからっ!?だから、来れなかったのっ?」
「そうだ。槙村は俺達の敵とつるんでた。下手に動くと余計お前が危ない目に遭うと思ったからすぐには動けなかった。」
けれど、それは全て言い訳だ。梓には関係ない。
「···好きって言って」
「好きだ。愛してる」
梓の心がミシミシと音を立てている。愛情を注いでやる事でそれは治まるのだろう。
「離れないで、ずっと、そばにいて」
「ああ」
もうどこにも行かせないで、ずっと腕の中に閉じ込めておくのも有りかと思った。
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