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第180話
仕事の確認をしていると、夏目がやってきた。
「親父が呼んでます。仕事の話のようですが梓さんも来てもいいと」
「梓、待ってるか?行くか?」
「んー、待ってる。これ面白い」
「わかった」
夏目と一緒に親父の部屋に行く。
中に声をかけた夏目。返事が返ってきて中に入った。
「は?浅羽組と話合い?」
「ああ。とは言ってもそんなに固いものじゃない。」
浅羽組はうちと同盟を組んでいる、うちよりも大きな組。
「いや、浅羽組って時点で固いだろ。そもそも何の為の会合だよ。」
「あちらからの説明はそれだけだ。場所はここだ。若頭も来るだろうから話すこと考えとけよ」
「···何歳だっけ」
「24とかだったと思うな。お前と近い」
何度か顔を合わせたことはあったけれど、あまり記憶が無い。
「噂ではお前と同じ、恋人が男らしいぞ」
「···そうか。恋人は連れてこないだろ。」
「多分な。だから梓を表に出すなよ。とはいっても前の1件で梓の存在は知られてるだろうがな。」
「わかった。」
何を話すか悩む。内容を考えておかないと。
「浅羽組に対しては失礼の無いようにしろ。」
「ああ」
その時梓はどうしていよう。
幹部は全員ここで働いているはずだし、だからといって、もう立岡を梓に付けるわけにもいかない。なら───冴島しかいないか。
梓から承諾を貰って冴島に連絡をしよう。
その日は帰れるのかなと、マイナスなことを考えた。
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