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第224話
健人がお風呂から上がり、俺もお風呂に入る。
志乃以外とこういうことするの初めてだから緊張する。
「ふぅ···」
髪も体も綺麗に洗って、タオルで水分を拭き、服を着てリビングに行く。
健人はテレビを観てて、俺はその隣にドサッと座った。
「お風呂、上がった」
「うん」
「俺···久しぶりだから、優しくして欲しい」
「当たり前やん。好きな人には優しくするよ」
ちゅ、と唇にキスをされる。今まではそれだけだったのに、舌が入ってきて、口内を蹂躙した。健人の服を掴み、なんとか応えようとするけど、息が続かなくて、断念。ただされるがままになる。
唇が離れると、頼りない銀色の糸が俺たちを繋いで、健人が俺の唇を舐めることでそれを切った。
「はぁ···っ、は、健人···ベッド、行かない···?」
「ん、行こっか」
健人と手を繋ぎながらベッドに移動して、またキスをする。
クラクラして、気持ちいい。このまま健人に沈んでしまってもいい気がする。
「服脱がすから、万歳して」
「ふっ、また俺のこと子供扱いしてるの」
「子供扱いしてたら、こんなんしてない」
服を脱いで、初めて健人に裸を見せる。初めて行為をした時みたいに恥ずかしくて、俯いていると優しい手つきで肌を撫でられてビクッと体が跳ねた。
「可愛い」
「ぁ···っ、け、健人も、脱いで」
健人の服を脱がせると、思っていたよりもがっしりとしていて、筋肉もある。腹筋は割れていて、かっこいいなと手を伸ばし触ると、擽ったいのか、すぐに俺の手を掴んで「あかん」って言う。何それ、すごく可愛い。
「筋肉、すごいね。鍛えてるの?」
「んー、たまに。最近は全然」
掴まれた手はベッドに押し付けられ、至近距離で見つめ合う。
「梓、ほんまに嫌じゃない?」
「嫌じゃない。だから、触って」
空いていた手を伸ばし、健人の首に回して引き寄せる。自分からキスをして、健人の耳元でもう1度触ってと言うと、健人の手が俺の腹を撫でて、そのまま上へと移動していった。
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