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番外編 怖い人の恋人達
しまった···と思っていると、ユキ君が俺の顔を覗き込んでくる。
「梓くんは···大切な人が危ない事してると不安にならない···?その不安を、どうにかして無くしたいなって、思わない···?」
「······思う」
さっきまで騒いでいた赤石さんも琴音君も静かになる。
「不安は、一人で考えたら無くならないって、俺は知ってるよ。だから、似たような立場にいる赤石さんや、琴くん、ヒヨくんによく相談するの」
「···その為に、集まったの?ここに助け合える関係性を作ろうって?」
「多分、そうなんじゃないかなぁ···?俺もハル君から何も聞いてないから···ヒヨくんは聞いてる?」
ユキ君が陽和君のことをヒヨくんって呼んでるのは、少し可愛らしい。
陽和君は声を掛けられても気付いていないのか、どこか寂しそうな顔で俯いている。
「ヒヨくん···?」
「···ぁ、ご、ごめん!聞いてなかった···」
「あー!陽和君さっきの若の気にしてるの?気にしないでいいよー!あの人は気にしてないと思うし」
「せやで。ハルは優しいし、ちょっとやそっとじゃ怒らんで。気になるんやったら後で抱きついてキスでもしたりや。それから夜のお誘い」
「きゃー!琴音君はいつも早河にそんなことしてるわけ?破廉恥ー!!」
「うるさいな。あんたやってその燈人って奴と毎晩お盛んなんやろ」
さっきまで静かだったのに一気に騒がしくなった。けれど、陽和君はそれで安心したみたい。人を助ける騒がしさもあるんだなぁって、初めて知った。
「ほんでユキ君。俺はユキ君と同じ意見やで。多分ハルはそういうつもりで今日、俺達を集めたと思う」
「まあ、極道の恋人の事、誰彼構わず話せないもんね」
「やからまあ、とりあえず連絡先交換しやん?なんかあった時連絡し合おうや」
「賛成賛成!後で燈人と早河は違うんだよって証拠の写真送るね」
「要らんわ」
この二人、本当に今日初めて会ったのか?そう思うくらい息があってるように見える。
「梓くん、教えてくれる···?」
ユキ君が小さく笑って聞いてくるから、勢いよく首を縦に振った。こんなイケメンのお願いを断れるはずがなかった。
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