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俺とアキ 2
「ね〜え、あきぃ…お願いだって」
「…、…お前が自分の体調管理くらい出来てれば何も言う事は無いんだけど。急にぶっ倒れたかと思ったら熱出てるし、ゲームのし過ぎで睡眠不足でした?ご飯もまともに食ってません??今日まで我慢しろ、せめてそのカスカスな声がどうにかなるまでな」
「う、っ…」
そう、最近新発売されたゲームが最高に楽しすぎたのだ。その結果、睡眠を極限まで削り飯もまともに食わず。学校から帰宅するなり鞄を放り出し即向かうはテレビの前。
そんな日々を過ごしていればいつかは体にガタが来るだろうと予想はしていた。
けどまあ、まだ大丈夫だろうと夢中でテレビに向かい続けていた結果、高熱と共にぶっ倒れてしまったのが3日前。
丁度部屋に遊びに来ていたアキの目の前で倒れてしまったもんで、それから看病してくれてるのだが…
俺がベッドから動き出す度に何度も戻され、ゲーム機類も今は触れない様にと全て何処かに隠されてしまっていた。
はぁ…また交渉作戦失敗かぁ…
用が済んだのなら、と腕を引かれ再びあの暗い部屋に戻されてしまう。「イヤー!!」と叫んでもうるせえと一言で俺の抵抗は虚しく遮られ、気付けばまたベッドの上だ。
うっわ、マジでつまんねえ。眠り過ぎて余計頭痛くなってきたかも。
渋々ごろん、と寝転がり無駄に素数なんて数えて…、…素数ってなんだっけ。
「は〜ぁ。アキの髪の毛なんてぜ〜んぶどっかに飛んでっちゃえ」
そしたら流石に綺麗な顔のアキでも少しは…、ん〜?少、し…いや、どう足掻いても綺麗な顔に変わりはねえわ。うっっわ、うざ。あ〜鼻だけでもペチャンコになってしまえ
ふんふん、と限りなく思い浮かぶ不満という名の八つ当たりをぶつけていたのだが、ふと聞こえてきたのは、『ガチャン』と開いては閉まる、ドアの開閉の音。
⋯⋯おっ?
そっ、と気付かれない様に起き上がり部屋のドアに耳をベタりと押し付けて慎重に音を拾い集めてみれば、…シャワーの音?お風呂に入った…?
もしかしてこれってチャンスじゃね???
そう気付いたのが早いか、体が動いたのが先か、素早い動作で箪笥からパーカーを引き出しそこにマフラーも追加してグルグルと首元に巻き付けると深くパーカーのフードを目元まで被り持ち物チェック。
財布、携帯、鍵。これだけありゃ十分だろ。
タイムリミットはアキのお風呂が終わるまで。バレなきゃいいんだから。そう自分に言い聞かせ、静かに部屋のドアを開ける。少しでも音が漏れないように忍び足で玄関まで近付くと靴を履いて素早く外に出る。
寒い。えっぐいほど寒くねえか?今日。
でもそんな事考えてる暇なんて1ミリたりとも無い。寒さを頭の片隅まで強引に追いやり目指すは近くのコンビニまで。走り出して向かった
のが、5分前の話
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