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俺とアキ 4
猫のお陰で随分と腕の中がポカポカだ。生き物って、温かい…幸せだ。
スリスリと頬を時々擦り寄せながらお目当てのコンビニはもう目の前。寒さで折れていた心も無事持ち直し辿り着いた目的地。
ん?ちょっと待てよ
猫って一緒に入っちゃ…だめ、だよねえ。にゃあ、どーしよ。
このままコンビニの前で待ってもらってても良いが、だがしかしこんな寒い中待たせるのはとても心配だ。
いや〜非常に困った。
その前にこの後どうしようかなんて考えてもいなかったや。俺に何か出来ること、あるのかなぁ...
一つ一つ増えてく問題点にドアの前でうーんと首を捻っていると、中からパタパタと男の人が1人走って来たのが見えたので邪魔にならないようにちょっと横に避けて待つ。
「あー!!!ちょっとユキー!!!おまえ何処に行ってたんだよ?!探してたんだぞ!!」
「にゃぁあ!」
「うわっ⋯!!⋯あれ、にゃあって名前⋯じゃなくて、ゆき…?」
走り出てきたコンビニ店員の制服を着た男の人は俺の腕の中に収まる猫の姿を見るなり、ユキ、そう名を呼んだ。
途端に俺の腕の中からピョン、と抜け出して駆け寄るユキと男の人。
そうか、なるほど。迷子になってたのね。
「いやーもう本当にすみません!!こいつ脱走癖があって、今日も俺の後を追いかけてここまで来ちゃったみたいで…ついさっきまで裏の方で飯食ってた筈なのに気付いたらまた…」
「あ〜なるほどぉ…お兄さんの事がよっぽど大好きなんですねぇ」
「好かれるのは有り難いんですけどねえ...も〜、心配したんだから!優しい方に見つけてもらって良かったね、ユキ。...ほら、お兄さんにありがとうってお礼して」
「んにゃ」
どういたしまして、そう言って頭を優しくポンポンと撫でてやると嬉しそうに鳴くユキにつられて俺の顔もふにゃりと解けてしまう。
すみません、と何度もペコペコと俺に頭を下げて店の奥へと去っていく店員さんにヒラヒラと手を振りその後ろ姿を見送った後、やっと俺もコンビニの中へ。
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