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俺とアキ 7

「ほんっっとにごめんってアキっ!ぶえっくしょん!!!」 「っ⋯、⋯汚ねえな。ったくお前はもう⋯いいから、さっさと帰ってこいって」 「だって、帰ったらまた部屋に戻んないといけないし、アキに絶対怒られるし、怖くて足動かねえもん。あ、待って…うわ、鼻水垂れてた」 気付けば長い間寒空の中突っ立って立ち話をしてしまったせいだろうか、止まらぬ鼻水で濡れる肌に気付き慌ててパーカーの袖口を鼻元に押し付けこれ以上垂らすものかと防ぎ止める事に。お陰で抑えられた鼻水だが、それにしても、服で鼻水を拭いてしまった…。 汚れた袖口を見て既にどん底だったテンションは更に低下し段々と電話口の言葉もモゴモゴと覇気が無くなってしまう。どうしたものか、と深い溜息を一つ吐き出した所で同じ様に聞こえてきた電話越しの溜息にふと意識を戻し最後にダメ元でお願いしてみようかな、と。 寒すぎるし、俺も本当は早く帰りたいし。 「ねえアキぃ?俺がさ、帰ってきても怒らないって言ってくれるならすぐ戻ろっかなぁって考えてるんだけど、どう?良い条件じゃない?」 「随分と偉そうに聞こえるなぁ?まあ、そうだな。それなら俺にも一つ提案は有るけど」 「…、…いいよ何でも。外寒いし、俺も早く帰りたいなってほんとは思っててさ。で、何??そろそろ凍えちゃいそうかも」 まあ、優しいアキなら怒ってても一つくらいのワガママなら聞いてくれるだろうと気休めに告げてみた提案を案外スムーズに受け入れてくれた事に驚き半分疑い半分。 だが今の俺に託された選択肢は提案を飲む事しか無く、素直に受けて立とうと言葉を返すが溢れ出るのは今更気付いた外の寒さへの不満ばかりで。 ってかマジで寒すぎる。冗談じゃねえ…

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