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俺とアキ 12
「…そう言えば、あの袋の中。どんだけ食うつもりで買ってきたの?お前」
「…、っ、え…?あ、…えっと、多分半分以上はアキのものだよ。アキの事考えてたら選ぶのが楽しくなっちゃったって言うか、自分の食べたいものの事忘れてた、っていうか…」
最初は自分の空腹を満たす為にと食べたい物を選んでいたが、気が付けばこれもあれもアキの好きな食べ物じゃん!とカゴの中には自分のモノよりもアキの為にと無意識に選んだ商品ばかりで溢れていた。
何買ったっけ、ふと思い出しながら品名を呟いているとフフッ、と笑うアキの笑い声に気付き、疑問符を浮かべたまま視線を隣に向けてみる。
「ん〜…?え、何…?何か面白い事言ってた?俺」
「面白いってか、知ってる。外でお前が派手にばらまいたもん拾ってたら、やけに俺の好きなもんばっか転がってんな、って」
「あ〜、そっか。全部拾ってくれてたもんねぇ…。それはそれはどうも、お手数をお掛けしちゃいました」
「で、それで俺に怒られないように機嫌取りってか?」
「いや、そうじゃなくて…えっと、これ、アキの好きなものだな。って見てたら近くにも似たような物があって、それで…気付いたらあっちにもこっちにも、って」
気付いたらカゴの中に入れてた。そう伝えると何か考え込むように黙り込んでしまったアキに、あれ、俺何か変な事言ったっけ?もしかしてまた怒らせちゃった…?とそっと顔を覗き込み、恐る恐る続ける事の出来なかった言葉をそっと付け足してみる。
「あの、さ…それで、俺、帰ったらアキと一緒に好きなもん選んで2人で食べたいなって、それだけで…ほんとに機嫌取りとかそんなもん考えてなかった、ってか思いつきもしなかったってか…。もしかして他に食べたいもん、あったとか?」
機嫌取り、その言葉が何だか引っ掛かり、そうでは無いと念を押して伝えたくて。だが、確かにそう捉えられてもおかしくはない状況で、寧ろそうしなきゃいけなかったのかと様々な選択肢が頭の中でグルグルと浮かび始め、何が良かったのかと考えてもキリがなく。
結果的に同じ様に黙り込み、考える体勢でうーん?と首を捻って居れば、ふぁあ〜と急に気の抜けた欠伸と共に両腕を頭上に伸ばして体を解すアキの姿に、あれ…?と雰囲気の違いを感じ視線を向けてみる
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