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俺とアキ 終わり
「ねぇ、今度アキが風邪ひいちゃった時は、俺が全部看病してあげる。その時はすぐに連絡するんだよ」
「うっわ。お前に看病してもらったら余計に気が悪くなりそうなんだけど、遠慮するわ」
「何この人...。善意は有り難く受け取れ〜って習わなかったの?めちゃくちゃ重要だと思うんだけど、人生において」
「人を選べ、っても習ってねえのか?⋯⋯ってか半分食うんだろ?コレ。やっぱめちゃくちゃうめえわ」
「…、⋯ふふっ。やっぱりアキってさ」
「ん?」
「いや、何でもない」
絶対分けてやらない、そう言ってた癖にちゃっかり綺麗に半分に分けて俺の分、と渡してくるアキに目をぱちくりとさせて滅多に手に入らない新商品のシュークリームをじっと見つめる。
全部食べても良かったのに、そう思いながらも心のどこかではきっとアキなら、と期待してしまっている自分も居た。『やっぱりアキってさ、俺には甘いよね』そう伝えようとしたけど、やっぱりやめた。
これからも俺に甘くて優しいアキに沢山甘えて、ずぶずぶに浸って、そしたらきっとアキもその間、俺の事だけを沢山考えてくれるし俺の事だけを見てくれる。だから俺はアキから注目される様に、ドジなフリを続けていけばいい。何度も何度も。気付かれない様に、小さいものから少しずつ
あ〜あ、アキとの生活もこれでまた終わっちゃうなぁ。せっかく頑張って夜更かしして、ご飯も抜いて、それで寒い中ずーっと外に出て熱まで出してみたんだけど...すっかり元気になっちゃった。もう1回外に出てみたけど、うーん。こんな傷だけじゃなぁ
今度はどうやってアキに心配してもらおうか。腕の一本でも折ってみたらきっと大慌てで駆け付けてずっと俺の側で看病してくれるんだろうなぁ。そうだ、どうせ折るならアキの目の前で盛大に。そしたら絶対に「俺のせいで」って、いつまでもいつまでも罪悪感の中で苦しみながら俺の傍から離れられなくなっちゃうかも。
腕の次は足、他にもアキの為なら俺の体を全部差し出したっていい。優しい声でずっと名前を呼んでくれて、無償の優しさを俺にくれるよね。だって、アキは俺だけのアキだもん。
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全部計算だったりじゃなかったり、アキが好きで好きでたまらない男の子の話
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