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なんてことない日常 7

「あ〜なるほどぉ。ふむふむ、んで、この先のトイレの奥まで行かなきゃ謎は解けないって訳ね?」 「んなの、分かんねえだろ。そこの部屋とかは何も無いのか?ちゃんと調べろよ」 「ええ〜?絶対無いでしょホラ。先に進めだってぇ、怒られちゃったじゃん」 進める度に段々と乱れていくBGMに朽ち果てた校内の全貌。正に、ホラー的な要素が満載すぎる。そう気付いた時には既に遅く。 迷い無く進める夕を画面越しに追う度に緊張感は増し、先を進むにも躊躇してしまう。そんな俺を他所に淡々と進められていく場面に冷や汗まで流れて来た 「あ、着いた。んじゃ、俺から行くよ?えっと、何番目だっけぇ...あ!三番目。そうだそうだ」 「おいっ!だから、ちゃんと周り見て進めろ、って!必要なもん全部拾ったのか?後からにしろよ、そこは」 遂には絶対何かしら展開が動くであろう選択肢を前に、相変わらず止まらぬ行動に痺れを切らせば一度コントローラーをテーブルに乗せ、操作を続ける夕の腕を掴みその行動を止めて 「な〜にもう。大丈夫だって、まだ何も出て来ないんじゃない?入口だし」 「ま、だ、って何だよ。.....もしかしてお前、やった?...っおい、絶対やってるよな?コレ」 「え〜?何それ、わかんなぁい」 手ぇ離して、ゲームが出来ない。そう言われましても、絶対にその提案を受け入れる訳にはいかない訳で。 今まで様々な種類のゲームに付き合って来たが、ホラーはだけは無理だと何度も断り続けてきた。やりたいなら一人でどうぞ、と。 その都度「え〜何それ似合わない似合わない。ホラーゲーよりアキの方が何倍も迫力有るじゃん」と馬鹿にされてるのかただの無神経な奴なのか。多分、分かってて言ってるだろう。コイツはそう言う奴だ。それでも俺は耐えた。 「金玉付いてないんじゃないの?」 最終的にはその言われ様。だけど、耐えた。男のプライド?んなの要らねえわ。けど、そろそろ顔の一つ位殴っても良いんじゃねえの。全然許されると思うけど。 確信を探るべく問い掛けてみるが話を逸らし続ける夕に、これ以上話を続けても無駄だろうと、そう悟るとこのまま続けるなら帰る。そう告げながら腰を上げた瞬間、画面一杯に広がる血だらけな女の人。 呻き声を上げながらおぞましい表情を見せているその光景を思わず直視してしまう。目を...合わせてしまった。その瞬間脳内は真っ白になり、血の気が引く感覚と共に身体中の力が一気に抜けてしまう。 声にならない驚きの悲鳴と共に情けなくも腰を抜かしてしまえば、ソファーに身体を沈めてそのまま元に居た場所に戻る形になってしまった。

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