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なんてことない日常 10

完全に怒ってるわコイツ。 夕からの頑固な意志を感じ取り、いつまでもこの騒音問題を放置し続ける訳にもいかず、ましてや隣人に激怒されても仕方が無い現状を一刻も早く解決すべきだろう。仕方ないか、俺がガキから大人になれば良い。 分かったから、そう一言告げて身を引く事を告げては、リモコンを奪う動作を止めて諦める事を表現し。 「.....もういいから、俺が謝る。だから取り敢えずその音からどうにかしてくれないか」 「ヤダ。.....アキと一緒にこのゲームやりたかっただけなのに、何でずっと怒られないといけないの。俺も悪いけど、アキも悪い。だから許せない」 ちゃんと分かってんじゃん。自分の非を認める言葉に何だか拍子抜けした様な、それならまだ対話出来る余裕は有るだろうと、どう言い諭すべきか、暫く思考を悩ませる。 不貞腐れて腕を組みながらリモコンを死守する夕の姿を視界の中央に捉えては、腕を伸ばして膨れた頬を両手で包み、此方に顔を向けさせて。 先程拒んだ行動を次は自分から。互いの額を寄せてなるべく優しい声色で、俺が悪かった。謝罪の言葉を始めに。「許さなくても良い。でも、頼む。怖い、んだ。」そう瞳を伏せながら弱味を見せる様にそっと呟けば、ふと夕の身体の強ばりが解ける感覚を確認する。 「...別に、良い...けど。ただ、これじゃやりにくいからアキも手伝って」 「っはぁ...結局そうなるのか」 少しは罪悪感でも感じてくれてたら有難いものだが。 どうやら納得してくれたのか、漸く耳が裂ける様な騒音が止まった事に気付く。同時に腹部へと押し付けられたコントローラーを反射で受け取れば、効率の悪い現状の解決方法として覚悟を決めるしか無く。渋々画面に視線を戻せば、「早く進めろ」そう告げて

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