48 / 73
※ ふたつの雪だるま 14
やがて、そこを撫でる様に触れていただけの夕の指先がゆっくりと俺の中に押し込まれていく。
まあ、異物感の凄い事。
それは俺の奥を目指して指の根元までキッチリと入ってくる。そして、確認するかの様に俺の顔を覗き込みながら問われる後ろへの感覚。
「⋯⋯どう?痛くない?」
「痛えも何も、⋯⋯普段からもっとでけえもん出してんだからそん位は行けんじゃねえの」
「もお〜アキ!そんなムードの無いこと言わないでよ」
まあ、選んだ言葉はどうだかと俺自身も疑問は抱いたが。
むっ、と拗ねた表情で俺の事を見上げてくる夕の言葉に対して特に返す言葉も見当たらなければ、口を閉ざす事で余計な言葉を押し込む事にして。
「じゃあ2本位なら⋯大丈夫そうかな。⋯⋯これは?どう?」
俺の余裕のある反応を確認しながら、やがて2本目の指先が加減も無く中に押し込まれていく。
ローションのお陰で突っ張り感が無い分スムーズに飲み込まれていくが、何度も俺の事を確認してくれる割には行動の躊躇の無さがコイツらしさと言うか、多分さっさと入れてえだけなんだろうが。
差し込まれた指先が中を押し広げる様にぐっ、と曲げられてしまえば、それはそれで圧迫感と一緒に痛覚が伴ってくる。
「⋯⋯曲げられんのが痛えわ」
「やっぱそうだよねえ。これから慣れていこっか」
2本の指を何度か抜き差ししながら時々中をぐるり、と撫でる様に触れられる度に慣れない圧迫感が感覚として伝わってくる。
中を広げるように動き回るそれは確実に異物感として違和感でしか無く、快楽を得るには到底先の長い感覚で有ればやがて俺のモノも大人しくヘタってしまっている事を夕から指摘され、その現状に漸く気付く。
「ありゃ、アキのちんこが元気無くなっちゃった」
「⋯⋯そりゃそうだろ。まだ何も分かんねえんだから」
「まあそうだよねえ。⋯⋯一緒に触ってあげたらさぁ、少しずつ気持ちいいのとか後ろにも伝わりやすそうじゃない?」
そういうモノなのか?
良く分からないが、少しでも快楽がそこに生まれるなら別に触れられる事に関しては問題は無い。
ただ、力加減はしろよ。と先程までの行為を思い出して釘を刺せばこくん、と夕の首が動き、やがて俺のものを包み込む様に夕の手が触れる。
その間も確実に後ろでは夕の指先が俺の中を広げるようにゆっくりと蠢いている。
俺のものにやんわりと触れた指先がやがて上下に動けば明確な快楽が少しずつ生まれ、それを待ち望んでいたかの様に俺のものが元気になっていく。
「⋯⋯やっぱアキのっておっきい⋯⋯なぁ。」
俺のものを見ながらブツブツと不満を漏らされたとて、それが生まれた時から身体の一部として存在してんだから仕方ねえだろ。
当然、夕の不満に対して俺も不満が重なっていく。
が、同時に下腹部から湧き上がる快楽でそんな事なんかどうでも良くなってしまえば、素直に快楽に身を任せる事にする。
扱かれる度に先端部からは先走りが溢れ出し、夕の指先を少しづつ汚している。それを指先に絡めながら俺のものに塗り込む様に広げられてしまえば更に滑りが良くなり、俺のものを扱いている夕の手が段々と早くなっていく。
「⋯⋯⋯⋯は⋯ッ、!⋯」
「どお?こっちは気持ちイイでしょ?」
「⋯っそう、だな⋯⋯ッ、」
俺の顔を食い入るようにじぃっ、と見つめていた夕が背を伸ばして、俺の頬に軽く口付ける感覚に気付く。一瞬だけ俺のものから夕の手が離れ、がっ、と服を捲られてしまえば俺の胸に吸い付く様に顔を寄せられた後、再び俺のものが夕の手で包み込まれて扱かれてしまう。
触れられただけでは曖昧な感触しか響かなかった俺の胸元も、夕の舌や指先で丁寧に触れられた事で改めてその口内で転がされ、舌先で触れられてしまえばそれも快楽の一部として、俺の下腹部に直接響き始めている。
上からも下からも迫り来る快楽に耐えるべく、ぐっ、と唇を噛み締めて息を呑めば、夕の肩に置いてただけの両手の指先に力を込めて服を掴むと快楽に意識を集中させて。
「あっ⋯駄目だよアキ。口噛まないで」
「⋯⋯っんでだよ。別に⋯ッ、良い、だろ」
不意に俺と視線を合わせた夕が俺の行動に気付いたのか、胸元から離れてそっと頬に撫でる様に触れながら素直に口を開いてる様にと促されてしまう。
が、俺としてはみっともねえ声を素直に出してしまうのは正直避けたい所ではある。
俺自身何も楽しくねえし。
「駄目だよ。傷付いちゃったらどうするの?それに、アキの声聞こえないし」
「うるせ、ッ⋯⋯!⋯⋯ッ、あ!おい!!」
止めろ、と俺の頬に触れている夕の手を払えば、突然俺の後ろで休むこと無く蠢いてた指先が引き抜かれ、中途半端に慣らされた尻に何の合図も無く夕のモノがぐっ、と押し付けられてしまう。
「いいの?うるさい、なんて俺に言っても」
挿入する訳では無いのだろうが、それが脅しの道具の様にすぐそこに存在し、再び俺の頬を力強く掴む夕の手で互いに視線が合わさる様に顔が固定されてしまえば、静かに俺に視線を向けている夕が俺の視界に映る。
少しでも動くと中に押し込まれそうな雰囲気を感じ取れば、素直に夕の言葉に耳を傾けるのが最適案だと行動で知らされて。
「ちゃんと俺の話聞いてよ。俺だってアキに痛い思いとかさせたくないし」
「⋯⋯っ、分かったから」
どんな脅し方してんだコイツは。
「それでよろしい」と、素直に口を開いた俺の行動に気を良くしたのか、再び軽く触れるだけの口付けが頬に落とされながら再び俺の中には当たり前の様に指先が押し込まれ、中を広げる作業が繰り返されていく。
⋯⋯最悪だわ。
やがて、俺のものに触れていた夕の指先がその先端を撫でる様に何度も掌全体を使ってグリグリ、と擦る度にぞくり、と身体が震え、一気に欲が駆け上がってくる感覚を覚えてしまう。
「そ、こっ⋯⋯!イきそうになっから、あんま、触んなっ⋯!!」
「なあに?イけば良いじゃん。中が慣れるまで、ずっと触っててあげるから」
そう言う事じゃねえんだよな。
何度も達してしまえば俺の体力が持たないからと体力温存の為に告げた言葉は夕には届かず、更に指先でグリグリ、と追い討ちをかけるように先端部分を軽く引っ掻かれてしまえば、止める間も無く俺のものから放たれる白い液体。
それは互いの衣服を確実に汚し、同時にゲッソリと身体から力を抜けば夕の肩に額を寄せて身を屈めながら、その余韻に身を任せる。
「わっ⋯⋯早⋯!」
「⋯⋯っだから、言った⋯⋯だろ」
「ここ気持ちいいもんね。俺も好き」
「知らねえよ⋯⋯」
達した後も俺のものをゆるゆると扱いてる夕の手をバッ、と払ってしまえばつまんないと拗ねた声が聞こえてくる。
こっちはそんな場合じゃねえんだわ。
早漏、と言う訳では無いと思うが、確実に俺の後ろに触れているその異物が少しずつ俺の身体に妙な変化を与えている事に薄々気付いてしまう。
ともだちにシェアしよう!

