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※ ふたつの雪だるま 15

「アキがイく時ね、中がビクビク!ってしてて、めちゃくちゃ気持ち良さそうだった⋯。」 「そうか。」 「⋯⋯ねえ、もう良いんじゃない?」 「良いわけねえだろ」 適当に夕の言葉を受け流して居れば、やがて我慢の限度が近いのか、俺を急かす様に挿入の許可が求められる。 が、コイツのモノを入れるには不十分だと感覚で悟って居れば、まだだとその度に否定を繰り返して。 「本当にお前のもんが入るとでも思うのか?今の状況で」 「う〜ん⋯、まだなんだけど⋯ねえ。」 「なら我慢してろ」 明らかに不服そうな表情で、だが無理強いする気は無いのらしく、しゅん⋯とした表情で諦めて俺の中を解す事に集中してくれたのらしい夕の動作に、気付かれぬ様に安堵の息を小さく漏らす。 中に触れる指に対し妙な感覚だと思っていたそれはじんわりと身体の奥底で少しずつ熱を持ち、確実に別の感覚へと変わっている事に気付く。 「⋯どお?俺的には少し、指が動かしやすくなったかなぁ〜って感じなんだけど」 「まあ、別に不快とかそういうもんはねえかもな。」 「その他は?気持ちいいとかある?」 「⋯分かんねえ」 奥から何かが込み上げてくる様な、今までは理解出来なかった感覚の変化というものは確かに存在しているが、それが明確な快楽かと問われると、それはそれで良く分からない。 俺の曖昧な言葉に緩く首を傾げながら、確かめる様に指先で何度も肉壁を引っ掻きながら俺の反応を確認するかの様に顔を覗き込んでくる夕の瞳に気付く。 「⋯⋯何」 「いや、ちゃんとアキが気持ち良いって感じた時に俺が気付けるように」 じっ、と食い入るように見つめられるその視線から逃れたい気持ちは山々だが、今、その感情のままに顔を逸らしてしまえば再び不満から脅し文句の様な言葉が飛び出して来るであろう事は簡単に想像が出来てしまう。 気は乗らないが⋯⋯、それでもしっかりと夕の顔に視線を向けてやれば、互いの視線を合わせてやって。 まだ明確な快楽とは程遠いが、それでも繰り返される中への刺激に対して最初は感じ取る事の出来なかった新しい刺激が、そこから生まれ始めている事に気付いてしまう。 ⋯⋯やべえかもな、コレ。 静かに深く深呼吸を繰り返しながらその快楽に意識を向けて居れば、ぼんやりと俺の事を見てただけの夕の表情がやがて綻び、楽しそうに笑っている事に気付く。 「⋯⋯何で人の顔見て笑ってんの」 「いや?すっごいえっろいなぁって思って。⋯⋯今、ちょっと気持ち良くなって来たでしょ?」 「⋯最悪」 コイツの機嫌取りの為に敢えて反応を隠さずに顔を向けていた理由も探ろうともせず、呑気に笑いながらソレを指摘されてしまえばそりゃ気だって悪くなるだろ。 腹いせに舌打ちを鳴らしながら夕の首元に指先を軽く絡める素振りを見せた途端、慌てて緩んでいた頬を引き結んで真面目な顔を作るその流れを静かに見守りながら、そっと口を開いて。 「ちゃんと集中しろよ、馬鹿が。」 「⋯⋯分かってるよぉ⋯」 釘を刺す様にゆっくりと言葉を告げては指先を離し、解放してやって。 やがて具合を確かめる様に中を指先で押し広げられる感覚に対して痛覚は完全に無くなり、それがただの違和感として伝わってくる。 まだ狭い内部を広げるように指をまとめて深く押し込まれたり、引き抜かれたり。 挿入が繰り返される度に中はそれを受け入れる様に蠢き、スムーズに飲み込んでいく。 指の質量に慣れている中の感覚が夕にも伝わったのか、その本数が増やされていく。 指が増えた事で再び圧迫感が広がってしまう。 最初は浅めの抜き差しから、ゆっくりと中を押し広げる様に曲げられる関節部分や、指の腹で撫で回す様にぐるり、と触れられると反射的にびくり、と身体が震えてしまう。 何度も中を触れられる度に、やがて感じていた圧迫感が再び和らいだ事に気付く。 「結構中が柔らかくなってる様に俺は感じるけど。どう?まだ痛い?」 「⋯⋯っ別に」 「じゃあ、ちょっと気持ち良くなって来た?」 「⋯それは、まだ分かんねえかも」 「ん〜?⋯⋯何処だろ、さっきから探してるんだけどなぁ⋯」 奥を軽く引っ掻くように夕の指先が触れて、痛覚を確認されても丁寧に解してくれてるのかさほど痛みを感じる事は無くなってきた。 が、先程から中を解したり広げたりする指先の動きとは異なり、何かを探る様に動いているその動作に気付いて居れば、夕自身からもそれらしき言葉が漏れた事に気付く。 「⋯⋯何してんの」 「いやぁ〜?前教えたじゃんね、前立腺ってとこが気持ちいいんだよって」 「前立腺⋯⋯?」 「そう。なんか、コリっ⋯ってしてて、そこに慣れたらすっごい気持ち良くなれるらしいんだけど」 何度も首を傾げながら躊躇無く俺の中をああでもないこうでもないと触れている夕の指先に対して、いつの間にか俺に対する気遣いが消えている事を悟る。 言葉だけ心配している様に見せ掛けて、頭ん中は目の前の事で一杯なんだろうな。 ──それから、中を広げる事も忘れずに時々奥深くまで差し込まれる指先や、未だに何かを探る様に蠢く指先。 大人しく身を任せながら静かに呼吸を繰り返して感覚に意識を向けていれば、突然何かに気付いた様にはっ!とした表情を浮かべた夕の指先が急に止まり、その1箇所ばかりを何度も擦り上げるように押し潰している。 と共に、今までとは確実に違う、ジワジワとそこから何かが生まれるような、湧き上がるような不思議な感覚が伝わり、ぴくり、と眉を寄せる。 「⋯⋯ココ、じゃない?!⋯ね、アキ。どんな感じ?」 「⋯他の、所とは違う⋯感じはするけど。」 「やっぱり?!はぁ〜!やっと見つけた!⋯ココね。慣れたらさ、絶対気持ち良くなれるから!」 やっと見つけ出せた!と言わんばかりに嬉しそうな表情を浮かべられてしまえば、なんと言うか、どんな反応を返せば良いんだろうな、俺は。 嬉しそうに中をトントン、と指先で弾きながら改めて説明される間も、確かにそこからはゆっくりと快楽、と表現しても良さそうな似た感覚が奥底から広がり始めている。 やがて何度も繰り返す様にリズム良くそこを指先で弾かれるような刺激が与えられる度に、じんわりと何かがそこから広がり、そして明らかに感度が増えている事に気付く。 「⋯⋯ッ、⋯な、んか⋯きてる、かも」 「でしょ?しばらくここ触っててあげるから、集中してて」 感覚の変化を素直に伝えてやれば、最初は弾くように触れていただけの指先でそこを押し潰すように何度もグリグリ、と触れたり、再び指先でトントン、と弾く様に繰り返し異なる強弱で刺激が与えられていく。 やがてその曖昧な感覚はズルズルと快楽を引きずり出し、腰がずくり、と疼き始めたかと思えばそれを表現するかの様に俺のモノが元気に勃ち上がっていく様子が視界の端で確認出来てしまう。 「気持ちよくなってきた?」 「⋯⋯ン、ッ⋯⋯!」 夕の言葉に応えてやろうと口を開けば、意図せず息が溢れてしまう。 ぐっ、と歯を噛み締めて堪える事で失態を晒す事は間逃れたが、一度気付いてしまった快楽に色が付いてしまうのは一瞬だった。

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