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※隠し事 6
照れを隠すために、さっさと手を動かして落ちてる物を拾っていく。俺から見たいと提案した癖に、いざ始まってしまうと向き合う事も出来ない俺の意外なピュアな部分と言うか、なんというか⋯こんなのを見る機会なんてそもそもある訳が無い。
人生で初めてのAVが男同士で、しかもアキにそっくりさんのものだったなんて⋯どうやったらそんなの想像が出来る??
──と、ひとり寂しく誤魔化しても誰にもこの思いは届かない訳で。
そもそもこんなに異質な空間の中で、正常心で居られるアキの方が同じ男の子としてどうかとは思うけど。
相変わらず一切動じないアキの姿を何度も盗み見ながら、早々とテレビに視線を向ける事を諦めて片付けから済ませていく。テレビ台の中にゲーム類は並べて、⋯⋯何でこんなとこにも服が落ちてんだろ。
「⋯⋯おい」
「⋯、⋯⋯っ!!どうしたの?」
「もう見てねえなら消せば?」
「あ〜⋯そうだね。えっと、⋯リモコン⋯⋯」
突然、アキに声を掛けられた事でびくりと肩を震わせ、大袈裟なほどに反応を見せてしまう。
どうやらそろそろテレビ画面が鬱陶しいと言わんばかりに迷惑そうな表情で、AVを消すように頼まれてしまえばそれは確かにそう。
何だかんだ無理に頼んで見始めたAVと言うこの娯楽は、どうやら俺にはまだ早かった。
確かにアキにそっくりなその人はすっごくエロくて見る分には楽しめそうなんだけど、どうしても気恥しさが残ってしまっている。
⋯⋯こういうのは、一人でコソッと見るのが良いんだろうな。
アキに指摘されるがまま、手にしたリモコンを画面に向けて操作をしようと指を動かしたその瞬間、画面ドアップに映される目隠し状態のその人。
いつの間にかだいぶ展開が進んでたみたいで、手足を拘束された状態で色々と画面の中で酷い事をされていた。
元々雰囲気がアキに似てたその人は目隠し状態だと更に本人そのものというか、⋯⋯もう、アキにしか見えなかった。
あ、⋯⋯⋯っ⋯やば、いかも⋯!!
気付いた瞬間にはもう遅かった。
途端に、ずくり、と疼く俺の腰。
1度意識してしまえば目の前の映像全てが刺激的な物となってしまい、どう足掻いても俺の下半身は素直に反応をしてしまう。
「⋯⋯お前の顔真っ赤になってっけど」
「っえ⋯?えぇ⋯そんな事ないと思う⋯けど」
「そんな事あるから言ってんだろうが」
ふと、横から伸びてきたアキの手が俺の顔に触れて、俺の頬の熱を確認するように指先で軽く撫でられる。
普段は全然俺に触れて来ない癖に、こういう時だけ⋯っ⋯ずるすぎる。
アキに触られたとこが更に熱を増し、新しい刺激としてじわじわと何かが込み上げてくる感覚を覚えてしまう。
なんでもない、とアキの指先から逃れるように身を離せば、それが気に入らないとアキの眉間には皺が寄り、俺の鼻がギュッと力強く摘まれてそのまま顔が引き寄せられてしまう。
「っいでででで!!な、なに?!」
「何、じゃねえよ。さっさと消せって言ってんの」
「あっ⋯そ、う⋯だよね」
なにか気に障るような事でも言っちゃったかと焦ったけど、そうではなかったのらしい。
改めて催促された事で思い出し、慌ててリモコンの電源ボタンを押せばプチン、と電波が途切れる音と共に静かに消えてくテレビ画面。
だけど、俺の鼻はまだアキの指先で摘まれたままだった。
「⋯⋯消えた、けど」
「満足したか?」
「ん〜⋯、⋯なんか⋯⋯やっぱ俺には刺激が強すぎたみたい」
「そりゃそうだろうな。お前の立派に勃ってるし」
「へっ?!⋯⋯バレてたんだ」
アキには気付かれてないと高を括ってた分、突然指摘された俺の下半身事情について、俺自身もビクッ!と驚いてしまう。
⋯⋯そりゃ、AV見ながら顔赤くしてたらバレるもんも⋯バレちゃうよな。そうだよね。
呆れたようなため息をつきながら、俺の鼻からパッと離されたアキの指先。そのまま再び携帯画面に戻っていくアキの視線を同じように追いかけて。
「もう良いなら腹減ってんだけど」
「そっか、もうそんな時間⋯。そろそろご飯食べに行こっか?」
「⋯⋯それで行くのか?」
「⋯⋯あっ」
再びゲームを再開するのかと思えば、そうではなかったのらしい。静かに画面を閉じて携帯をポケットにしまいながらゆっくりと起き上がったアキの問い掛けに、そういえば、と自分の現状を思い出す。
確かにお腹も減ってるし、ちんこも勃ってるし。
今、何を優先すべきかどうかだなんて言葉にするまでも無かった。
仕方ない、抜いてくるか⋯⋯。
腹を括って身体を動かそうとした俺の腕を、突然アキに掴まれてしまう。
「俺がしてやろうか?暇だし」
「⋯⋯っへえ?!?⋯あっ、えっ⋯⋯でも⋯」
「自分でやるってなら別に良いけど」
「是非お願いします」
断る理由なんて何一つ無かった。
アキからしてくれるだなんて、今までどんなにお願いしてもダルいだの面倒だの何だかんだ難癖を付けて断られてきたのに
⋯⋯とは言っても、どんな風の吹き回しなんだろ。⋯⋯暇、だとやってくれる⋯のか。
「そこに座ってろ」
「これで⋯良い?」
指先で指し示されたソファーの上に腰を降ろせば、代わりにアキが今度は俺が座っていた場所に腰を降ろしている。
やがて俺の足の間に割入るようにアキの身体が寄せられて、流れるようにガッ、と下着ごとずらされる俺のズボン。
そのままアキの指先で引きずり出されたそれは相変わらず元気に立ち上がっていて、ピン!と主張していた。
ちらり、と俺に視線を向けるアキに何だと緩く首を傾げていれば、そのままなんの躊躇も無くアキの口の中に俺のものがおさめられていく。
っ⋯う、そ⋯⋯でしょ?!く、くちで⋯?!!
「あきっ⋯⋯?!」
思わず慌ててアキの顔に触れるが、『触るな』と言わんばかりにギリッ、と睨み付けられてしまえば俺に出来る事は、静かに見守る事だけしか残されてなかった。
こんなの⋯ほんとに良いの⋯⋯?
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