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※隠し事 7
俺のものがある程度アキの口内に入ったとこで、ぴたりとその動きが止まってしまう。
勢いでやってみたは良いものの、アキ自身もどうしたら良いものなのかはっきりと理解出来てなかった様だった。
まあ、確かに知ってるようで知らないもんな。他人のちんこの扱い方なんて。
⋯でも、別に最後までしてくれなくたって別に良い。
アキがしてくれるってだけで特別なんだもん。
「アキ⋯?厳しかったら別にすぐ終わったって良いから⋯ね?」
念の為、無理強いはしないように伝えておく。
別に無茶をしてまでアキにしてもらう理由なんて何一つ無いし、そんなに焦らなくたって⋯⋯と、俺なりに気を遣った言葉のつもりだった。
けど、俺の気遣いが気に入らなかったのらしい。
もう一度鋭い視線を向けられて睨み付けられてしまった。
そういえば、朝からどことなく虫の居所が悪そうな⋯今日はあんまり機嫌の良くない日だったっけか。
ゆっくりと時間を掛けながら、俺のものはアキの口の中に全て収まってしまった。
暖かな口内に包まれる感覚だけでも既に気持ちが良すぎる。と言うか、アキの綺麗な顔が自分から進んで俺のモノを咥えてくれている。
それだけで十分に刺激的な光景だった。
ねっとりと絡み付く様に這わされる舌先。
時々吸われる様に先端を掠められてしまえば快楽に素直な俺の体はびくりと震えて抑えきれない吐息が口から溢れ出てしまう。
「っ⋯は、ぁ⋯⋯」
口の中ってこんなに温かくて気持ち良かったんだ。
手でする時とはまた違う心地良さがビリビリ、と全身に伝わり、快楽として徐々に全身に広がっていく。
アキの唇の合間から時々見える赤い舌が先端を擽ると、俺の身体もひくり、と小さく震える。
アキの唾液で濡れた俺のものは何だかいつもよりえっちな見た目をしてる⋯と言うか、その見た目だけで素直に俺の腰は疼いてしまう。
自分のちんこで興奮する事があるんだ。
気持ちよさでズルズルと力が抜けてしまう腰に力を入れて少しだけ体勢を変えようと身体の横に手をついた瞬間、プツン、と小さな電子音と共にテレビ画面に映し出される肌色いっぱいの画面。
俺の手元にはまだリモコンが置きっぱなしだったみたいで、運悪くも電源ボタンを押してしまってた様だった。
「わっ⋯!!ごめん。すぐ消す⋯か、ら⋯⋯?」
テレビから流れる喘ぎ声に対して隠しきれてない怪訝な表情を浮かべたアキの視線が、テレビ画面に向いてしまう。
慌ててリモコンを持ち直したは良いものの、丁度視線を向けた先の画面には画面いっぱいに気持ち良さそうに喘いでいる男の人の顔がドアップに映っていて、その表情はとろとろに蕩けていた。
その表情を見た瞬間、ずくり、と疼いてしまう素直な俺の下半身。
⋯だ、って⋯⋯あんな顔⋯っ⋯!!
ただでさえアキにそっくりな雰囲気の顔でそんな表情をされてしまえば、反応してしまうのが男のサガじゃない⋯?
「随分と楽しそうだな」
「⋯⋯別にそんなんじゃない、から。今のは仕方が無い⋯って言うか」
いつの間にか下腹部からアキの口が離れていて、代わりにじっ、と俺の顔を見つめているその視線とバッチリ目が合ってしまった。
普段よりも淡白に聞こえる声色で、本人は隠してるっぽいけど明らかに不機嫌な雰囲気を醸し出す言葉の意味合いとして、俺の耳に届いてしまう。
大体普段から表情の少ないアキの事だけど、今はいつものすんと澄ました表情とは全然違うピリピリとした空気感が伝わってくる。
「⋯⋯間違って電源ボタン押しちゃっただけ」
「お前が見たいなら見てても良いけど」
「別に今は良いかな⋯って」
これ以上アキの事を怒らせたくはないし、そもそもそんな事よりもアキが触ってくれてる事の方が嬉しいから。
「アキがシてくれるなら、見る必要ないし」
「⋯⋯お前の好きにしたら良い。」
そうやって言ってくれてる今の顔だって明らかに面白くなさそうな雰囲気で溢れてるけど、あくまでも意思は俺に委ねてくれるのらしい。
アキの優しさの中にはいっつも我慢が隠されてる気がする。⋯⋯素直になれば良いのに
なんて、俺が言える立場でもないけど。
リモコンをテレビに向けて電源ボタンを押せば、また間違ってテレビをつけてしまわない様にリモコンを離れた場所にポイッ、と追いやって、改めて目の前のアキに視線を向ける。
俺のものを緩く握り締めながら、何か言いたげに俺の顔を見ているアキの瞳と視線がぶつかった。
「⋯⋯どうしたの?」
「別に」
「何も無さそうな顔じゃない事くらい、分かるよ。」
「⋯⋯お前は他の奴の裸でも満足出来るんだな」
「⋯⋯全然そんな事無いけど」
やっと出た。 アキの本音。
そんな事がある訳が無い。
俺はテレビの画面越しでさえもアキの事を重ねていて、アキに対して発情しちゃっただけでこの人自身には何の興味さえも無かった。
ただ、アキに似てるだけの人。アキの事が大好きだから、発情してしまう。
⋯⋯素直な下半身なもんで。
「俺が相手じゃなくても、AVさえ見りゃ満足出来んじゃねえの?」
「⋯そんな事は全然無いけど」
「んな事あるから勃起してんだろ」
「⋯⋯それ、は⋯⋯。そう⋯なんだろうけど」
今まで真顔を貫いていたアキの口元がふと歪んで、いびつな笑顔を浮かべている。
図星すぎて言葉が無くなってしまった。
確かに刺激的な映像に対して俺の素直はちんこは反応しちゃったかもしれないけど、別にそれで満足してる訳ではない。
現に、アキが触れてくれてる今の方が俺のちんこは活き活きしてて嬉しそうだ。
「でも、さ、たしかにアキ以外で勃起しちゃったのは悪い事だよ。だけど、これに関してはアキが触ってくれてるから元気になってるの」
「じゃあその剥き出しの状態のまま最後まで見てみろよ。俺が触れてない状況でお前のもんがどうなるか、判断してやるから」
「へ⋯⋯?」
「俺が触らなきゃどうにもなんねえんだろ?」
な、なんだって⋯⋯?
俺の答えを聞く間もなくアキがリモコンを手に取り、再びテレビ画面に映し出されてしまう裸同士の絡み合い。
⋯⋯絶対怒ってるじゃん。
俺が今後何を言っても聞き耳を立ててくれそうには無いアキの雰囲気に、これ以上伝える言葉なんて見つからなかった。
俺のちんこを監視するとは言ってもアキにとってAVは退屈でしかないのか、俺の足の間から離れてソファーに腰を下ろしたアキに指図されるがまま座る場所を端っこに寄らされ、空いたスペースにゴロン、と寝転がるアキの姿。
どんな状況だコレ。
下半身を晒されたままAVを見る日が来るなんて、誰も想像出来ないよね。
──そもそも、せっかくアキが口でやってくれてたのに中途半端で止められてしまった今の状況も何だかんだ辛い。
どうせなら最後までして欲しかった。
行方の無くなってしまった下腹部の熱が少しずつ冷気に晒され落ち着いていく中で、『ちゃんと見ろ』とアキの足で小突かれる俺の身体。
⋯⋯なんか、雑じゃない?
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