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※隠し事 14
快感というものは相手に寄せる好意の大きさに合わせて感じやすく、昂りやすいもので。勿論、アキの事が大好きな俺のモノはすぐにパンパンに膨れ上がり、今にもはち切れそうなくらい。
そろそろ良い、と伝える度に刺激が止まり、そしてその余韻が引く頃にまた俺のモノを咥えて刺激を与えられてしまう。どのくらいの時間が経ったのだろうか、その感覚さえ分からない程に繰り返され、焦らされる。
もちろん、限度は既に超えていて今は快楽を拾い集める所か、その感覚でさえ辛く、苦しい。
寸止めを繰り返す中で余裕の無い俺の表情を、心做しか楽しげに見つめるアキに向けて、何度目か分からない制止の言葉を伝え
「っ……、あ、きぃ……!!も、おれ無理、っ……!出し、たいんだってば…ぁ!」
「だから、俺の中で出したいならまだ我慢してろって言ってるだろ」
「だ、からさっきからずっ…と我慢してるんだけ、ど俺っ……!もう良いんだってぇ…!!」
「…限界早くね?もう少し耐えろよ、根性の無い奴」
行為を始めた時から薄々感じていたけど、今日のアキは意地が悪くて俺に当たりが強い。表情や言葉では怒ってないと言い張るが、心底では吉村と俺の接触を根に持ってます。そう表現出来る位にはほんとに、イジワル。だからこそ俺はこうして自由を奪われてる訳なんだろうけど。
「っは、あ…俺のちんこの事は、もう大丈夫…だから、ぁ……!おねがい、アキ。早く中に入れたい、から、おしり、解してよ。自分で…できるの?」
「……出来るんじゃねえの、お前には触らせたくねえし」
今日は絶対に触らせない、そう言葉の節々から感じ取れてしまう。ようやく気が済んだのか、俺のモノから身体を離して強がるように告げられた言葉。
そのまま、膝立ちになったかと思えば流れる様に自分のズボンと下着を膝辺りまで降ろし、膝の上に跨る姿。恥じらいなど無く、堂々とした姿に思わずきゅんとする。こういうところは、顔に合わずに男前なんだよなぁ
じっ、と見つめていれば、気が悪くなったのか隠すように俺の肩に顔を埋めてしまった。
「……ジロジロ見てんじゃねえよ、殴るぞ」
「目の前で好きな人が脱いでるのに、目逸らす人なんていると思う?」
「別に居ない事はねえだろ。もう少し控えめにしてろって言ってんの。」
「えぇ?そんなの人生損しすぎだよ。俺はアキの事をいつだって、どんな時だって見てたいし触ってたいけどね」
「俺が男じゃなかったら、セクハラだって訴えられてたかもな」
同性だから許される。その言葉に、はて、と緩く首を傾げる。もしアキが女の子でも、俺は変わらずにガンガン見るし、触り続ける。セクハラだって言われても、気にならないけど。
ふと、適当な話題ばかりで動かないアキの事が気になり、「まだ?」と問い掛けてみれば、うるせえと乱雑な言葉が返される。それでもやる気にはなってくれたのらしく、漸くもぞもぞと動き始めるアキの腕。
バレない様にそっと、その背中越しに腕の行方を確認しながら、少し迷いを見せた後に覚悟を決めて埋められてく指先をじっと見つめて。
「……まだかなぁ。ほんとに最後まで自分で出来るわけ?なんか、下手くそすぎない?」
「…っるせえな。集中してんだから静かにしてろ」
「だって、ず〜っと指だけ出したり入れたりしてさぁ…それちゃんと中まで広げられてるの?強がりだけで俺のもの入れようとしてない?」
「ちゃんと出来てるけど。お前にしてもらうより、自分でやった方がまだマシだわ。痛くねえし、楽だし」
「……なら、早くしなよ。上手に解せてるみたいだし、もう俺のもの入るでしょ。下手くそならまだ無理だと思うけど」
俺の上に跨ったまま、何分が経過したのだろうか。自分でやる、と後方に腕を回して中を解してるつもりなのらしいけど、曖昧に動かされる指先に増えてく本数も疎らで中を解す、と言うよりもただ淡々と指の本数を増やしている様にしか見えない動作。
いつまで続くのだろう、その指の動かし方では絶対厳しいでしょ。そもそも俺のもの入れる気ある?
指摘も含ませた問い掛けをしてみれば、ふん、と出てくる強がりの言葉。それだけは、流石に聞き捨てならない。挑発には挑発で返す。俺にだってプライドは有るし。
結局、俺の言葉が十分に刺さったのか、ガッ、と荒々しく指が引き抜かれると共に胸元を掴まれ、背後に押し倒される。背後がベッドなだけに激しい衝撃とまではいかないが、突然の事に驚いてしまう。そのまま、俺の上に跨って十分に解れていないであろうそこに俺のモノを宛てがい、力任せに埋められてくソコ。あ〜あ、素直になれば良かったのに。
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