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※隠し事 18

「あ……アキの大きくなってる。そろそろ出そう?もうちょい?」 「ん、あと…少し…っ……!」 「じゃあ一緒にイこうよ。俺も後ちょいでイきそうな感じ、だしっ…」 何度も中を突かれる度に快楽が全身を伝い駆け巡り、その度に欲が積み重なっていく感覚を覚えてはそれがそう長くは持たない事も悟り。 夕の問い掛けにこくり、と頷きながらその意志を伝えるが、どうしても気になる事が一つ。 あまりにも、目が合いすぎる。瞬き忘れてねえか?コイツ 行為中、1度も逸らされること無く一直線に熱い視線を向けられ続けている事に気付いて居れば、流石にその事が何度も気になって仕方が無い。 「……っお、い。んなに、見られてたら気悪くなる、だろ…っ…が」 「えぇ?別に何も気にすることないと思うけどぉ…?すんごい可愛いし、それでえっちだし、白くてきれ〜な身体してるし。一体何が気になるワケ?」 「………違うだろ、っばか。…良い、からジロジロあんま見んな。……や、りずらい」 「…恥ずかしいってこと?そうでしょ。ん〜っ、アキってほんと、可愛いよねぇ」 遠回しに伝えた筈だが、それを恥だと捉えられてしまえば、まあ、それが本心ではある為に素直に口を閉ざして。俺の意図を探り当てる事が出来た事が余程嬉しかったのか、にこにこと機嫌良く俺の腰を指先で撫でるその仕草だけは見逃せなければパシリ、と払い除け。 会話を始めた事で止まってしまった行為の続きを促すべく、さっさと動けと言わんばかりに中に埋まる夕のモノを締め付けてやればびくり、と目の前の身体が震えると共に熱い吐息を漏らす姿。 やがてゆっくりと、始まる挿入。段々とその動作は欲を放つ為の余裕の無いモノとなり、俺の快楽を放つ事を目的とした、ピンポイントに同じ箇所を何度も突き上げられてしまえば瞬時に欲が駆け巡り。 思考が飛んでしまいそうな位に激しく、鋭い快楽に堪らず夕の衣服を力強く掴み、その身体を俺の元に引き寄せては素直に俺の体を抱き締めてくれる夕の背に腕を回し、肩口に顔を埋めてしまうと与えられるがままに全ての快楽を受け入れて。 「は、ぁっ……んあ、あ!!も、出る、から、っ……!ゆ…うっ……!!」 「おれ、も、もう限界…っ……!ん、ねぇあきっ…?今、ちゅーしたい、かもぉ…」 互いに限度を迎えている事を知れば、このまま溢れんばかりの欲を今すぐにでも吐き出してしまいたいと下腹部の刺激に意識を向けるが、ふと互いに視線が合わさる様に首筋に這わされた掌が俺の顎を捉え、伏せていた顔が上げられると共に交わる視線。 相変わらず欲まみれの夕の瞳に吸い込まれる様に、口を開いてその唇を迎え入れては中を突き上げる夕のモノと同じ様に艶めかしく俺の舌先を何度も絡め合わせたり、口内を荒々しく探るその刺激でさえも今は心地好く、溺れてしまいそうで。 唇の端から漏れた雫が顎を伝い落ちていく感覚に気付くが、そんな事でさえも気にならない程に互いを求め合い、やがてびくり、と身体が震えると共に俺のモノから垂れ落ちる白く濁った液体。と、同時に下腹部にもどろり、とした生暖かい感触が広がる感覚。 張り詰めていた息をはぁ、と吐き出しながら夕の背に回していた腕をだらり、と力なくベッドに落とすが、未だに絶え間なく続く唇への口付けや俺の涎を嬉しそうに舌先で拭い取られてしまえば流石にそれは、と軽く夕の横腹を小突き短く制止の言葉を掛けて。 「………やめろ。汚えだろうが」 「アキから出るものに汚いモノがある訳ないでしょ?止めてよ、アキの方こそ失礼しちゃうなぁ」 「…っ俺の体なんだけど」 「アキの身体は全部俺のモノなの、勝手に自分のモノにしないで」 何なんだ、この傲慢すぎる会話は。ついにイった衝撃で頭までイカれたのかと冷めた視線を送るが、それでも気にならないと相変わらずぺろぺろと飽き足らずに俺の唇の周りを舐め回す夕の姿。 それだけで終われば良いものの、やがて舐め取り作業から口付けへ、顔中に満遍なく口付けされたかと思えば耳先、その裏、首筋、と徐々に夕の顔が降りていったかと思えば、何の声掛けも無く中に埋められたモノがズルり、と抜かれてしまい。 その衝撃にひくりと身体を震わせ、急に止めろと口を開いたその僅かなやりとりの間でいつの間にか俺の下腹部に移動していたのらしい夕が、躊躇いもそして何の合図も無く俺のモノをぱくり、と口内に含み、そのままそこにべっとりと付いていた精液を拭い取る様に舌が這わされ。 達した直後の刺激としてはあまりにも辛過ぎるその感覚に身体を大きく震わせながら少し休ませてくれ、と慌てて距離を取るべく背後に手をつくが、それよりも先に夕の両腕が腰に絡み付き、しっかりと離れない様に固定されてしまえばこれ以上離れようが無く。 その間にも遠慮の無い舌先が這う感覚に僅かに震え始める身体の感覚を抑える事も出来ず、夕の髪の毛をぐしゃり、と掴みその指先から快楽を逃す事しか出来ず。 「っ、お、まえ……さあっ!!ま、じできつい、からぁっ…!!」 何を言っても始まってしまったものは気が済むまで終わらないだろう、と夕からその意志を感じ取ってしまえばグッ、と唇を噛み締めながら時が過ぎるのを待つ事しか出来ず。 俺の腹部に散った欲を掬うその舌先の感覚からも快楽を拾い集めてしまえば、欲を放ち一度は納まった筈の俺のモノが再びゆるりと立ち上がり、2度目の射精に向けて熱を帯びている事を悟ってしまい。 そうなれば中途半端に終わる事だけは止めろ、と改めて念を押せば結局流されてしまう自分の快楽への弱さを今更ながら自覚して。 「……お、い…ちゃん、と…それっ…どうにかするまでっ…責任、持てよ…?」 「……当たり前じゃん、寧ろそのつもりでやってんだから」 初めから意図的に行っていたのか、否か。その心中までは計り知れないが自信満々に告げられてしまえば、返す言葉も見当たらず沈黙を貫いて。 そんな俺を他所に、一度は会話の為に離れていた唇を再び俺のモノに寄せて、先端部分から、何度も口付けを落とされる度にひくり、と腰は震え。 再び生暖かい口内へと全てが収まり、その顔が上下に動き始めてしまえば一瞬の内に駆け巡る快楽が今回ばかりはそう長くは持たない事を悟り。時折舌を這わされ、その舌先が先端部分に充てられグリグリ、と押し付けられてしまえばびくり、と大きく震える身体と共に早くも堪えきれず溢れ出る2度目の液体。 限界だとその言葉を伝える事も出来ぬまま、あっという間に達してしまえば驚いた表情を浮かべながらも、ごくり、とその全てを躊躇いも無く飲み込む夕の姿を視界に捉えては、相変わらずよく飲めたもんだと瞳を細めて。 「ん、やっぱり俺のより、アキのせーえきの方が飲みやすいかもぉ」 「……そりゃどうも。終わったならさっさと退いてくんねえか」 「えぇ?俺まだ物足りないんだけど」 「全然無理。もう触んな」 ぶー、と頬を膨らませて主張されても、ついていけねえんだわ。続けて達した事で余計に力の入らない身体をだらり、とベッドに横たえながら、漸く訪れた休息にほっと息を吐き出す。 何だかんだ不満を表現しながらも、結局俺が本気で無理だと悟れば無理強いはしてこない夕の優しさに無意識に綻んでしまいそうな頬にギュッと力を入れて無表情を装いながら、それでも甘えては居たいのか俺の身体の上にべったりと寄り添いながら何度も頬を擦り寄せられてしまえば、それはそれで鬱陶しい。 触るなと伝えはしたが、まあ、それで気が済むのならと自由にさせる事に。

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