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※ 隠し事20

後ろを解されながら手持ち無沙汰に何度もイかされてしまう。何度達したのか身に覚えが無いほどに、気付けば俺の精液はカラカラになっていた。 最早抵抗する気力さえ俺の身体には残される事なく、度重なる余韻で常にビクビクと身体は小刻みに震え、どんよりと重すぎる脱力感でどうにもならないのが現状ではあった。 「も、良いかなぁ。ここも良い感じにトロトロになってきたみたい」 「⋯⋯ふ、ぅ⋯ん゛、ん⋯」 「いれていい?⋯⋯アキ?⋯⋯、っ、わ。もう⋯ぐっちゃぐちゃだ」 返事を返す事さえダルすぎる。反応の薄い俺を見て顔を覗き込まれると、ぼんやりと視界いっぱいに映る夕の顔。 自分の顔がどうなってるのかなんて知る由もないが、夕の視線が外れない辺り、⋯まあ、どうにかはなってんのだろうな。 やがて食い入るように向けられていたその視線が俺から外れ、ゆっくりと取り出された夕のもの。触らなくとも既に反り勃っているそれがぴとり、と後ろの方に擦り付けられ、そして割れ目を割くように入ってくる。 「ん゛っ!は、ぁ⋯あ゛⋯⋯ッ⋯」 2度目とは言えども慣れることのない圧迫感。生憎、死ぬほどイかされた事で上手い具合に身体の力が抜けてる分、すんなりと俺の後ろは夕のものを根元まで全て呑み込んでしまっていた。 やがて夕の指先が俺の腰を捉え、あくまでも俺の身体を気遣うようにゆったりとした動作で抜かれて、そしてまた中に入っていく。 さっきまでの激しい刺激とは異なる緩急の無い緩やかで一定な刺激に、ずくり、と腰の奥が震える感覚を覚えてしまった。 力の入らない指先を何とか動かして夕の胸元を掴めば、俺の元まで引き寄せる様に力を込めて要求の言葉を並べていく。 「⋯⋯いちい、ち⋯ゆっくり、してんじゃね⋯えよ、ッ⋯⋯。さっさと、腰⋯⋯でも⋯振ってろ」 「⋯、⋯あんなに出したのに、まだ物足りなかったんだ?⋯アキって、案外エッチ⋯だよね」 俺の言葉に夕の瞳がゆっくりと開かれていく。 正直俺自身も何を伝えているのか、はっきり理解出来てる訳ではなかった。 既にそこに思考の余裕なんてある筈がなく、ただ残ってるのは俺の理性の弾ける音と、そして欲望のままに快楽を求める本能だけであった。 太ももをガッ、と掴まれて左右に割り開かれる事で精液と先走りで上も下もぐちゃぐちゃな俺の下腹部が夕の目の前に晒されてしまうが、そんなのはもうどうだって良い。 そのままゆるゆると動き始めた夕の腰が告げた通り、段々と激しさを増していく。 ぐちゅぐちゅ、と中を掻き回され、何度も前立腺を抉られるように腰が押し付けられていく。 時々奥を開くようにグッ、と深くを突かれる度に快楽の中に混ざる確実な痛覚と窮屈感。 前回もそうだったが、やけに奥に入りたがる夕の行動に理性がぶっ飛んだ中でも気付いてしまえば、目の前の胸をドンッ、と叩いて加減を知らせる。 「痛、くしたら、ぜっ⋯ッ⋯て、ゆるさ⋯ない、からなッ⋯ッ゛ン゛!」 「何もしてない⋯から。⋯どぉ?気持ちいい?俺は、⋯すっごお⋯く、きもちい、い」 俺の言葉に対して明らかに一瞬、夕の目が泳いだ瞬間を視界に捉えていく。ちゃんと自覚はしてんだな。 それでも誤魔化せば行ける、と思ってるのか、何度も具合を確認しながら更に互いの身体が密着し合うように抱き締められてしまう。 そのまま、再び夕の顔が俺の耳元まで近付いて、何度も吐息を漏らしながら耳の中を舌先でぐちゃぐちゃにされてしまう。 「は、ぁあ!んんっ⋯!!み、み⋯やめ、ろ⋯ッん!!」 「色んな音が聞こえて、楽しいでしょ?⋯ほら、アキのここもすぐ元気になってるし」 「んッ、あ゛ぁ゛!も、っ出ね⋯えっか、ら、あぁ゛!」 何度もイかされたハズのそこは気付けばまた元気に主張し、だらだらと汁を垂らしていた。 耳元からわざとそこに意識を向けるように夕の指先が触れてしまえば、嫌でも快楽を与えられ続けていたそこは自然とそれを待ち侘びるかのように震えてしまっている。 ──だけど今触れられてしまえば、確実にぶっ飛んでしまう。色んなものが。 既に抑えられない声が俺の口からだらしなく溢れ、室内に響き渡っていた。 「だいじょーぶ、絶対に出るから。⋯俺のも、っ⋯もう限界⋯だしっ⋯。ね、一緒にイこっ…かぁ」 「あッ、ん、ッ⋯!!ふ、ぅう⋯⋯!は、ぁ⋯ぅ、ぐッ⋯ンンンん゛!!」 再び扱かれ始めた俺のもの。余裕のない夕の腰が何度も奥を抉るように押し付けられ、その都度押し潰される前立腺からびりびりと刺激が全身を突き抜けたその瞬間、耐え性の無くなってしまたそこは残り僅かな精液を吐き出しながら、やがて俺のお腹の中にもどくどくと夕の温かいものがどんどん注がれていった。 その最中も続く律動。 隙間からぽたぽたと溢れ落ちる精液の感触さえ心地良く、全てが快楽として伝わっていく。 達した余韻と腹の中の温もりを十分に感じていれば、不意に力強く腕や身体が掴まれて視線がぐるりと反転する。 今度は俺の下に夕が居て、普段から見慣れた風景が目の前には広がっていた。まだ全然足りないと再び俺の中で動き出す夕のもの。 だが、正直もう限界だ。⋯⋯結構前から限度は超えているが。 「⋯⋯ぁ、⋯⋯ッ⋯?も、ぉじゅう⋯ぶ⋯ん、だ、ろっ⋯」 「アキは沢山じゅうぶんかもしんないけど、⋯俺はまだ、ぜんぜん足んないっ⋯」 夕の上に乗る体制さえ保つ気力が無ければそのままダラり、と目の前の胸元に身体を預けながら、流石にこの先は俺自身もどうなるかは分かんなかった。 だからこそ、まだやりたいと言うのであればこいつ自身に全ての責任を押し付けていく。 「も、これ以上⋯や、んなら、おまえ⋯が、最後⋯までせきにん⋯もて、よ⋯、⋯」 「分かってるよ。最後までちゃんと綺麗にするし、お風呂にも入れてあげる。片付けも掃除も俺が全部やってあげるから、アキは俺に全部委ねてよ」 「⋯⋯、⋯なら、すきに⋯しろ」 それならもう自由に触れさせてもいいだろう。 今更どうにかなったとて、もう何だってどうでも良かった。気持ち良ければ、それで良い。 強すぎる快感も、意識がぶっ飛びそうになるその瞬間でさえも、今は心地が良かった。 こいつに触れられてる全てが気持ちがいい。もっと触って欲しい、もっと気持ちよくたって良い。 案外俺の身体は快楽に脆く、理性を飛ばしてしまうのは簡単だった。 下から突き上げられる度にそれは深く、奥まで入り込んでくる。完全に身体の力が抜けた今、俺の中も夕を迎え入れるには十分な体制で、やがて、ゴリッ、と奥が割り開かれる感覚が伝わる。 更に奥を目指すように夕の指先が俺の腰をぐっ、と抑えて、更に密接した状態で突き上げられてしまえば抵抗する間もなく、新たな刺激が全身を伝っていく。 「ぐッ、!は、ッん゛ん゛!!あ、あぁあ゛ッ、──ッ、ッ゛!」 その瞬間、びくびくと震える俺の体。 更に追い打ちをかけるようにまたしても奥を抉られてしまえば、中を突かれる度に俺のものからは精液がびゅっ、びゅっ!と壊れたかのように飛び出し、止まらなくなってしまった。 もう何が何だか、わかんねえ。 後ろからも前からもどろどろと精液が溢れ、シーツに大きな染みを作っていく。 何度も中をぐちゃぐちゃに荒らされていくなかで、ふと、プツン、と途切れてく俺の視界。 その瞬間、何だか遠くの方で俺の名前が呼ばれたような、そんな気がした。 でも、今はいいや。⋯いま⋯は、もう⋯⋯──

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