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※ 転校生 8
まあ、正直答えなんてどうでも良い。自分が提案した内容が無理難題だと理解はしている分、この行動に関してはただの八つ当たりでしかない。
『2度は無い』と伝えたルールを簡単に破ってしまったのなら、相応の責任は果たして貰うべきだろう。
何度も何度も夕の下腹部をゴリゴリ、と容赦の無い力で踏み潰しながら、「このまま潰してやった方が楽かもな」なんて言葉を吐けば途端に表情は恐怖で引き攣っている。
以前ならば痛覚で反応していた夕のモノにも流石に反応は無い。ただ苦しいだけ、か。地獄だろうな
「っ、ひ⋯!!は、あ゛ぁ゛!!⋯⋯っ゛い゛!!!ふ、ぅ⋯う゛!ん゛!!」
何度も角度を変えて様々な痛みを与える様に、膝の角度を変えながら調節していく。押し潰す度にビクリ、と顔を歪めながら震える夕の姿をぼんやりと眺めていた筈が、何度も何度も痛め付ける為に動かしている様で、自分の欲を解放する為の行動に擦り変わって居る事には気付いている。
が、それはそれで良いだろう。これも含めて罰と言う言葉で括ってやれば良い。
既にまともな思考回路なんて崩壊しているのだろう。苦痛な表情を浮かべながら俺に返す言葉を探している様だが、痛覚で思考が支配されているのか額には冷や汗が浮かび上がり、言葉にならない声が漏れている。
途中で何度か動きを止めて様子を見てみるが既に限度を越えているのか、その度に何度も「ごめんなさい」と謝罪の言葉を繰り返すだけで精一杯の様だった。
何も言わずとも抵抗だけはしちゃ駄目だと本能で理解し、我慢しているのか震える両手で自らの前髪をくしゃり、と掴み瞳を伏せる事で痛覚を逃しているらしい。
⋯⋯邪魔だな
「手ぇ退けろ。目見て謝れって言ったろ」
「っ、⋯ぐ⋯、⋯⋯は゛ぁ⋯!!い゛、っ゛⋯!!」
「⋯⋯⋯おい、本当に反省してんだろうな」
「ちゃん、と⋯して、る⋯。もお⋯ぜっっ⋯た、いに⋯し、⋯な⋯い⋯⋯か、らっ⋯」
夕の意思を問い掛けるため、膝の動きを止める。浅い呼吸を繰り返しながら何度も頷き伝えられる言葉は震えていて、涙の合間に必死に繋げられたものであった。力加減も忘れたのか、涙を拭おうと目の周りを力強く何度も擦ったのか赤く腫れている。⋯⋯こんだけ泣かせりゃ、もう良いか
もう二度と同じ事を繰り返してしまわない様に、最後に強めの釘を刺して終わる事にする。改めてゆっくりと全ての体重を膝に乗せていけば、与えられるであろう刺激に耐える様、ぎゅっと力強く噛み締められる夕の唇。何度も痛みに耐える度に噛み締められた痕が残っていて、血が滲んでいる。
少しだけ身を屈め、その唇に手を伸ばしてそっと指先で撫でながら、「歯、食いしばってろよ」と笑みを浮かべて見せれば、少しだけ気の抜けた表情を浮かべて俺に視線を向ける夕。
ちゃんと忠告はしてやった筈だ。
押し付けていただけの膝を、思いっ切りグリっと動かして刺激を与えてやる。
気の抜けてしまっていた夕の身体はそのタイミングでびくり、と大きく震え、一瞬、声にならない掠れた呻き声を上げながら小刻みに震える。そして大きく開かれた瞳は徐々に力を無くし、俺から焦点が外されてしまった。
激痛で意識でも持っていかれたのか、ピクリとも動かなくなってしまった夕の身体。
⋯⋯だから言ったろ、気合い入れとけって
⋯⋯⋯コイツの意識が戻るまで待ってやるほど、今の俺は優しく出来ない。落ち着いた頃に目を覚まして再び泣きつかれてしまえば、きっとその時の俺は素直に受け入れてしまうだろう。
それでは駄目だ。許す事にもちゃんと意味を持たせなければならない。
強引な方法ではあるが、これも仕方の無い事だと自分に言い聞かせる。そっと夕の髪の毛を梳く様に撫でた後、胸元のシャツをグッ、と掴んで顔を引き上げれば力強く握り拳を作る。
そのまま腕を振り上げて勢いのままに目の前の頬を殴れば、その衝撃で飛び掛けていた意識が戻ったのらしく、再び外れていた互いの視線が合った事を確認する
「⋯⋯勝手に飛んでんじゃねえよ。まだ話が終わってねえだろ」
「⋯⋯⋯⋯っ、あ⋯⋯、あ⋯ご、め⋯⋯」
「⋯⋯これからは『次』なんて言葉は使わねえからな。何が良くて何が駄目なのか、自分の頭で考えて行動しろ。分かったか?」
「⋯、わ⋯かっ、た⋯⋯⋯」
まだ意識がハッキリとしないのか虚ろな表情で、それでも俺の言葉は理解出来てるのらしく頷く姿を静かに見つめる。⋯⋯反省出来てるのなら、今日はそれで良い。
ふと、先程の衝撃で口の中でも切ったのか、プツリ、と口端から垂れ落ちる血に気付く。唇の端から顎、喉元を伝って落ちていく様をしばらく眺めた後、掴んでいた胸元を離して解放する。
ゆっくりと夕に顔を近付けて血の跡をなぞる様に舌を這わせる。口内に広がる鉄の味に眉を寄せるが、そんなに不快ではない。緩く顔を上げて夕の唇を舐めた後、口を割開く様に舌を差し込んで口内に広がる血を舐めとりながら、ねっとりと互いの舌を絡め合わせて口付ける。
「っ⋯、⋯ん⋯⋯⋯は⋯、ぁ⋯⋯⋯」
口の隙間から漏れる夕の声に耳を傾けながら、顔を上げて指先で軽く首元に触れてみる。そのままその指先に軽く力を入れてみれば、 ぴくりと震える身体。ヒュッ、と息を呑む音が聞こえ、ゴクリと呑み込まれた唾が伝っていく振動が指先から伝わる。
首に触れていた指先を首筋から鎖骨、胸元へとゆっくり下ろし、シャツの襟元に指を掛けて肌を見せる様に軽く引っ張れば、以前の噛み跡が僅かに残されている事を確認する。
まだ完治とは程遠いが、それでも着実に傷跡を塞ぎ始めているそこに顔を寄せて新しい傷口を作る様にガリッ、と力強く歯を立てる。途端に口内に広がる鉄の味。その瞬間、夕の身体が強ばるのを感じ取れば、出来たばかりの傷跡にゆったりと舌を這わせて顔を上げる。
じっ、と様々な欲が入り交じった瞳で視線を合わせれば、よく顔が見える様にと額に添わせた手で夕の前髪を掻き上げてそのまま乱れた髪を耳元に掛けてやる。改めて俺と繋ぎ止める為の言葉を確認し伝えては、夕の言葉に満足だと緩く笑みを浮かべ、そっと額に軽く口付けて。
「お前も俺の物だって事を忘れるな」
「⋯⋯⋯う、ん⋯。ぜった、い⋯忘れない⋯⋯」
(夕side)
うまく身体に力が入らない。漸く全てから解放され、自由に動ける様になった身体だが、それでもすぐには動き出す事が出来ず、ぼんやりと天井を見つめる。全ては俺が引き起こした出来事。俺が全部悪いとアキから受けた長い拷問のような仕打ちも、今回ばかりはちゃんと反省している。もう、絶対にAVなんて見てやるもんか。寧ろ、パッケージでさえもう見たくはない。⋯次こそ、本当に殺されてしまう。
⋯なんかもう、全身痛い。何処が痛いとかそんなのがよく分からないくらい、全部が痛くなって来た。俺の首元に顔を埋めたまま動かないアキの体温がそんな俺の身体によく染み渡り、心地良く感じる。そっと背中に手を乗せてポンポンと軽く何度も撫でてあげるが、アキが呼吸をする度に俺の首に息が当たって正直擽ったい。
しばらくのんびりとした時間を過ごしていたが、やがてモゾモゾと動き出したアキが身体を起こし、同時に何やらカチャカチャ、と下半身から金属同士がぶつかり合う様な音が聞こえて来る。⋯⋯この音、に関しては、聞き覚えしか無い。
「⋯⋯な、に⋯あき⋯?」
「相手しろ。お前は寝てるだけで良い」
「へ⋯?あ⋯⋯でも、おれ⋯ほんと、に今ちから⋯はいんなく、て」
「だから、寝てるだけで良いって言ったろ」
どうやらスイッチが入ってしまったのらしい。俺がこっぴどくやられた後は何かとアキのスイッチが入りやすくなってる様な、気がする。寝てるだけで良い、それなら⋯まあ、良いか。久しぶりにアキとヤれる。それだけで理由は十分だ。
ベルトを外されてそのまま俺のパンツの中に入って来たアキの手によって引き出され、外気に晒される俺のもの。先程まで酷い仕打ちを受けていた分、小さく萎えてしまっている俺のモノを見て、「可哀想な奴」と一言呟くアキ。⋯⋯本当に可哀想だよ
が、アキの目的はそれだけじゃなかったのらしい、そのままパンツごとズボンもまとめて全て足から抜き取られ、見事に下半身だけ晒された状態で改めて俺の足の間に割入ってくるアキの身体。
⋯ん、⋯⋯なんか、思ってたのと違うかも
「あ、あき⋯もしかして、俺に⋯いれようと、してる⋯?」
「前ヤったばっかだから、要領は分かるだろ」
「⋯⋯わかる、ってか⋯ちょっと、そっち側なの、は⋯キツい、かも」
「あ?人の意識が飛ぶまで勝手にヤってた奴がキツいもクソもある訳ねえだろ」
「ちが⋯くて、今は⋯からだに余裕、ないから⋯」
確かに、あの時はめちゃくちゃ気持ち良かった。またこっち側になったって良い、そう思えるほどの経験ではあったが、あくまでも元気がある時の受け身であって、今はそうじゃない。
俺の微妙な表情を見ても、「へえ」としか返されない返事からして、俺の言葉はどうでも良さそうだった。あくまでも、自分が好きなようにやらせろ、と表情が物語っていた。
ぐにゅり、といきなり2本同時に後ろに差し込まれるアキの指。中を広げる様にバラバラに動き始めるそれが知ってか知らずか、何度も遠慮無く前立腺を掠めていく。
「っ⋯は、ぁ⋯!!あ、き⋯!そこ、ばっか触って⋯るっ⋯!!」
「お前のモンが可哀想だから勃たせてやってんだろ」
確かに、俺のちんこは元気にゆっくりと顔を上げ始めていた。初めての時こそどうしたら良いのかよく分からない、とばかりに的を得ない解し方をしていたアキの指先も、何処を触れば気持ちいいのか、どこまで入れて解せば俺に入るのか、少しずつ要領を掴んだのか迷う事無く俺の中で蠢き、そして探る様に奥深くへと差し込まれていく。
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