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番外編 アフターストーリー(3)★

 さて、「新妻」/「ご奉仕」と聞いて、人は何を思い浮かべるだろうか。おそらくは大多数の意見が一致するに違いない。 「やっぱ、裸エプロンってのは男のロマンだよなあ」  不破は呟いて、キッチンに立つ犬塚の姿を見つめる。  犬塚が身につけているのは、シンプルな無地のエプロンのみ。当然、下着だって履いていない。すべて不破の指示のもとだ。 「せっ、先輩は変態さんなんですか!?」 「あの流れで『えっちしたくなっちゃった』とか言われたら、これっきゃねェだろ。つーか、マジで興奮すんなこれ」  言いながら、そろりと手を伸ばして太腿を撫でた。徐々に背後へと回り込ませていき、際どい位置まで指先でなぞっていく。 「っ、先輩……」 「変態はどっちだよ。じつは拓哉だって期待してんじゃねェの?」 「ん、は……そん、なっ」  エプロンの布地を押し上げている先端部分を擦ってやれば、犬塚は切なげな息を漏らす。少し触っただけでも、そこは著しく反応を見せ始めた。 「何も穿いてねェからすげーテントになってる。ほら、これ」 「や、ぁ……見ないでっ」 「エプロン、我慢汁で染みできてんのもエロすぎ」  いじらしい反応をされると、意地悪をしたくなってしまうのが男心というもの。不破はエプロンの中に手を滑らせ、張り詰めた犬塚のものを直接握り込んだ。  そのまま緩急をつけて扱けば、たちまち甘い喘ぎ声が上がる。 「ひあっ……あ、先輩ッ、こんな、だめぇ……っ」 「嫌じゃねェくせに。本当に嫌だったら、お前でもちゃんと拒否するもんな?」 「んっ、あぁ……そうだけどっ――は、はずかしいからあっ」  恥ずかしくて堪らないというふうに身をよじる姿は、かえってこちらの嗜虐心を煽ってくるばかりだ。  もっと乱れさせてやりたい――衝動に駆られるがまま、不破は少し乱暴に犬塚の体を反転させた。 「わ、ひゃっ!?」 「すっげ、後ろ丸見えじゃん」  尻を突き出すような体勢を取らせれば、絶景が目の前に広がる。蝶結びされたエプロンの紐の下には尻臀が見え隠れし、慎ましやかな蕾は無防備に晒されていた。 「やだあ、こんな格好……」 「ンなこと言って、ここヒクつかせてんのはどこのどいつだ?」  いやらしく言い放って、窄まりの周囲を指でくるくると刺激してやる。それだけでも感じるらしく、犬塚は流し台に手をつきながら背をしならせた。 「あっ、あ、ン……っ」 「俺のこと誘ってるみてェで興奮する――ほんっと、やらしい穴だな」 「誘って、なんかっ」 「だって、もうナカに欲しいだろ?」  不破は舌なめずりをし、予め用意しておいたローションを手に取る。中の液体で指全体をたっぷりと濡らすなり、ゆっくりと後孔に挿入していった。 「んっ、あ、あぁっ……」 「お、柔らけェな。こりゃまた自分でいじってたか? 二本目もすぐ入りそうだ」 「っ……昨日の夜、我慢できなくなっちゃって――あっ、ん」 「ガキのツラしてどんだけだよ。すっかりエロいこと覚えやがって」  犬塚の中は柔らかく、二本目の指も難なく呑み込んでしまう。押し広げるようにして出し入れしてやれば、そこはさらに蕩けていき、物欲しそうに収縮するさまを見せた。 「指二本じゃ足りないって?」 「や、待っ……」 「じゃあ三本目――」 「あっ、ああぁ……ッ」  指を三本に増やすと、犬塚はいっそう艶めいた声で鳴いて身を震わせる。その後も同じように抽挿を繰り返し、十分にほぐれてきたところでようやく指を引き抜いた。  これで満足してもらっては困る――ここからが本番なのだから。

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