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※第10話

スエットを脱がされ脚を開かされて、迷うように肛門付近を撫でる指先の動きに、俺は唾を飲み込んで、 「な、なあ、ホントに入れるつもりか」 頭は熱でやられているが、いきなり突っ込まれるのはマズイ気がして問いかける。 矢倉は軽く頷いてバックの中からハンドクリームを取り出す。傷にも効く優れものヤツだなとかどうでもいいことを思いだす。 「これが、最後になるかもだし。せっかく来たチャンスは逃さないよ」 せっかくの据え膳は食うとばかりに俺に伸し掛る。 最後に、か。 俺がダメだっていったら、本当に引くのかよ。 「な、こええよ」 指先にクリームをなすり付ける矢倉の首に腕を回して、軽く首を横に振る。 「どうしても、ダメか」 真剣な眼差しで、俺のサインを求める時のように見つめられると、動けなくなる。 ゆっくりとクリームを入口だか出口だかに、塗りはじめて俺の目ん玉の中を覗きこむ。 軽く手を目の前に差し出し、人差し指だけを伸ばして俺はストレートのサインを矢倉に出した。 くるなら直球だけ、受け止めてやる。そのまま背中にぐいとしがみつき目を固くつぶる。 クリームまみれの指先がぬくぬくと胎内へ押し込まれるのがわかり、背中をぞわりと震わせる。 内部をいじられる恐怖に目を開くと、矢倉がひどく優しい目をして、ゆっくりと抜きさししているのがわかる。太股に堅い肉があたり、矢倉がかなり我慢をしているのは同じ男として分かった。 くちゃくちゃとありえない音が響き恥ずかしさを増すが、堅い胸元に頭を擦り付けると気が紛れた。 「ッ、く、.....っ、朔、矢」 「痛くはないか、リツ。指を増やしても大丈夫か」 耳元で優しい声で囁かれ、俺はこくりと頷く。行為の全てが激しくはなく、俺が馴染むまで待ってくれている。 まるでリードされているようで、なんとなく腹が立って、矢倉の腰を引き寄せた。 「.....おま、えのも、触らせろよ」

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