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第26話

 砂粒のように零れ落ちる音色が伝っていく。  クルクル廻る木漏れ陽のように。  零れ落ちた音色が重なり、繋がっていく。 「私の物におなりなさい」  囁かれた音色に、カッと耳に熱が走った。 「魔王は嫉妬深い。私があなたの物になるのですから、当然あなたは私の物。これは等価交換です」 「ランハート」 「嫌だというなら体だけでも堕としますよ。私の雌に」  チロリ  熱い舌が耳を舐めて、ゾクリと何かが体躯を駆け巡った。 「魔王に逆らいますか?では魔王の慈悲を」 「ヒャ!」  まだ濡れている耳のひだに今度は熱い吐息を吹きかけられて、ビクンッ、と体が跳ねた。 「魔王の慈悲は、人間のそれとは違います。私だけの雌になる事で、あなたに一生の快楽と悦楽をお約束致しますよ」 「フゥッ!」  ねっとり降りた舌が、次は耳をついばんだ。 「ここ、弱いですか?声は我慢しなくていいですよ。淫らな雌声、たくさん聞かせて下さい」 「ヤァ、アフン」 「言ったそばから……フフ、恥ずかしいですね」 「アゥ」 「乳首、自分で触りますか」 「フーフー」 「おや、触れないのですか?では、私が触って差し上げましょう」  首を振ってるのは、そうじゃないって否定してるのに。 「フフ、お可愛らしい。では、そんなあなたのご期待に応えられるように、きゅっと摘まんで」 「きゃんっ」  今、お尻がヒクっとした。  胸を触られたのに、なんで? 「爪で引っ掻くように……コリコリ」 「アフーフゥー」 「可愛い喘ぎです」  フゥと吐息が耳のひだを這った。 「その声を下品な雌声に変えてしまいたくなりますよ」   チュ♥  酷い事を言うのに、耳の付け根に落ちた唇はどうして優しいの?

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