30 / 56
第30話 私と共に……
Ωは魔王の呪いだと、世界の人々は言った。
けれど、本当の呪いはΩじゃないと思うんだ。
王は、孤高にする。
支配者は、知らずと、もしくは緩やかに、いつの間にか孤独の道を歩む運命に逆らえない。
王は、孤独になった。
それはきっと今も……
支配者の呪いが『孤独』なら、今もまだ解けない。
ならばせめて、そばにいたいと願った。
俺がそばにいて、少しでも、孤高の呪いが癒やせるなら……
孤独な王様の孤独をなくせたら……
そんな思いが最初で、きっと俺は魔王を好きになっていった。
そんな気がするんだ。
王の呪いが、いつか呪いじゃなくなるように。
俺達を引き寄せた運命になりますように、って……
ともだちにシェアしよう!