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第30話 私と共に……

 Ωは魔王の呪いだと、世界の人々は言った。  けれど、本当の呪いはΩじゃないと思うんだ。  王は、孤高にする。  支配者は、知らずと、もしくは緩やかに、いつの間にか孤独の道を歩む運命に逆らえない。  王は、孤独になった。  それはきっと今も……  支配者の呪いが『孤独』なら、今もまだ解けない。  ならばせめて、そばにいたいと願った。  俺がそばにいて、少しでも、孤高の呪いが癒やせるなら……  孤独な王様の孤独をなくせたら……  そんな思いが最初で、きっと俺は魔王を好きになっていった。  そんな気がするんだ。  王の呪いが、いつか呪いじゃなくなるように。  俺達を引き寄せた運命になりますように、って……

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