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第31話
「……アイル様?」
「うぅん、何でもない」
俺の思いはまだ秘密。
孤独が消えた時、打ち明けようかな。そう言えば、あの時……って。
「お作法にのっとって進めて構いませんか」
「あぁ、そうしてくれ」
「では、求愛ダンスを踊って頂けませんでしょうか」
「………」
「………」
「………」
「………」
「きゅーあい?」
「求愛ダンスです」
求愛と言われても〜
「難しく考えずに。Ωの本能で踊って頂ければ大丈夫ですよ」
「う〜ん」
王族の嗜みとして、社交ダンスは踊れるけれど。
「おや、困ったお顔をなされておいでですね」
「ひゃっ」
「今度はお顔が赤くなった……フフ」
「わわっ」
体がふわっと宙に浮いた。
(そうじゃない!)
俺の体、抱きかかえられている。
これって、もしかして……もしかしなくても。
(お姫様抱っこだァァー!!)
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