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第51話

「帰りません」 「ギャ」  魔王の魔力で心読まれた。 「ですから魔力ではありません。后の事は何でも分かるのですよ」 「〜〜〜」  絶対、魔力で見透かされていると思う。 「后?」 「何でもないですっ」 「それなら良いのですが」  良くはないが〜……おっと、また心を読まれてしまう。 「后」 「ひゃっ」  肩に手をまわされて体が密着する。 「あなたを私のものにしたいと思っております」  トクンっ  鼓動が鳴った。 「私の陰茎をあなたに挿入させて頂けませんか」  俺、なんて……  どう答えればいいの?  どうすればいいの?  どうして、こんな時だけ何も心を読んでくれないの?  ランハートは意地悪だ。  ただ穏やかに……  ただ優しく……  ただ切なげに、見つめるだけなんて。 (俺は……)  ランハートが好き。  だから断れない。  断らない。 (そんなのとっくに分かってるくせに)

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