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第2話

口を離すと混ざりあった唾液が繋がって、プツッと切れる。 それが顎を汚した。 やはり、綺麗なものを汚すのは独占欲が満たされ気分が良い。 みっともないマーキングだ。 「遥登とキスしてんだな」 「あと、誰とするんですか……」 「んー、頭ん中の遥登。 あと、夢ん中の遥登」 「どっちもおれ…」 濡れた顎を指先で拭いながら、またキスをする。 離れたくない。 少しも許さない。 そんなキスが嬉しい。 背中に回した腕でしがみつかれるとキスはより深さを増す。 「おれも、……沢山、想像しました」 「俺とのキス?」 三条が呼吸出来るように口を離す隙に言葉を交わす。 頷いた三条の唇を何度も食んだ。 「もう俺以外とすんな。 想像でも妬ける」 「んっ、ん……っ」 頭の中でも、夢の中でもムカつく。 遥登は俺のだ。 俺だけの、大切な恋人。 「……はぁっ、」 「とまんねぇ」 「とまら、ないでください…」 強く抱き締められ、その身体を押し倒した。

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