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第6話
胸いっぱいに息をする。
恋人のにおい。
恋人の体温。
息遣いもこんなに近い。
大きな手が背中から下りていきケツに触れた。
そして、軽く揉む。
「肉、ねぇなぁ」
「筋トレしてましたから」
「体力ついたか?」
「んー…、難しいところですね」
特別なことなんてない。
そんなのはいらない。
今は、ありふれた日常が良い。
「今年も、進級祝いあるからな。
慣れてきたら沢山遊ぼうな」
「…進級って言って良いんですか…?」
「就職祝は別にあるからな」
「え゛」
「なんつぅ声…。
別に遥登を縛って吊り上げようとか、ピストンマシンじゃねぇから安心しろ」
吊り上げよう…?
ピストンマシン…?
流石にハード過ぎる…
そういうのじゃないってことだけは一応安心だ。
が、ケツを揉む手がなんか…際どいトコロに触れている。
ボトムスの上から丁度ケツの間を辺りのさりげなく触れているような…。
気のせいだと言われたら、そんな気もするが…。
「……」
「どうした?」
「わざとじゃないですか…」
ニヤニヤする長岡の顔も格好良いから強くは言えないのが、惚れた弱みだ。
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