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第8話

気持ち良さそうな寝息に笑みが溢れる。 本当に触れたかったのは自分の方だ。 我慢をしたのはお互いだ。 それはそうだ。 だけど、強姦してまで自分に感情を向けたかった子。 その子を守る為なんて体の良い言葉を壁にしながらも、本当はずっとこうしたかった。 ずっとどこかくさくさしていた。 それを大人の顔で層をつくっていただけの話。 本音は触りたかったし近くにいたかった。 背中を擦る手を上へと移動させ、サラサラした髪を手のひらから溢す。 前髪を退け、まるい額を見る。 そこに、ちゅっとリップ音をたてる。 それから、指輪の嵌められた細い指をとり、マジマジと眺める。 自分の家族だという証。 給料3ヶ月分の正真正銘この子の生活の当面の面倒をみれるだけの価値のある物。 ほっせぇ指 ペンダコ目立つな 遥登の指って感じして良いよな シゲシゲと眺めてから、指輪にも唇をくっ付けた。 月曜からまた毎日会えんのか 高校ぶりだな 4年ぶりか 早ぇな その間にこんなに格好良く成長したんだから、ほんと目が離せない。

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