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第11話

日曜日は特別なにをするわけでもなく、いつも通りに過ごした。 普通にゲームをして、普通にご飯を食べて。 優登の作ってくれたおやつを食べて。 いつものようにふとんに潜り込んで。 いつもより早く目が覚めたのは、緊張しているからだろうか。 それとも、とうとう学生ではなくなったという後戻りが出来ない立場になってしまったからか。 どちらにしても、時間にゆとりがあるのは良いことだ。 ピシッとアイロンをかけたシャツに腕を通し、スラックスをベルトでおさえる。 それから薄手のセーターを着た。 ネクタイは後からだ。 階下に下りると母親が朝食の準備をしてる。 「おはよ」 「遥登。 おはよう。 スーツ似合ってるね」 「高校の時と対してかわんないでしょ」 「大人っぽいよ」 成人した大人だけど、先日の長岡の言葉を思い出し言葉を飲み込んだ。 「顔洗ってくる」 「朝ご飯もう食べる?」 「いや、炬燵でダラダラしてる」 鞄とジャケット、ネクタイを隅に置き洗面所へ。 この歯ブラシも今日で終わり。 けど、なんとなくそれをゴミ箱へと入れられずいつもの場所へと戻してしまう。 「みぃっちゃ…」 「綾登、おはよう」 「はぅだ」 丁度廊下で鉢合わせた末っ子は脚に抱き付いてきたので、小さな身体を抱き上げた。

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