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第23話

おにぎりも美味しい。 はぐっと齧り付くと、もぐもぐと頬袋を動かす。 あまり喋らない方が良いのだろうか、と考えながらでも母の作るご飯は美味しい。 暫く食べられる機会がなさそうなのでしっかりと味あわなければ勿体ない。 「わ、三条先生のお弁当美味しそう。 そんなに食べるんですか?」 食事を終えたのか、歯ブラシを持った古津は目をパチクリとさせた。 スーツを着ても隠せない肉付きの悪さ。 セーターで着膨れさせても顔や首、手は隠せないので仕方がない。 こんな見た目に反してよく食べるのでこの反応ははじめてあるあるだ。 「はい」 「その細い身体のどこに入るんですか。 若いってすごいですね」 古津は、にこにこと話してくれる。 五十嵐も弁当を覗いて、「ほんとだ。美味そう」と言ちる。 この人たちだからこそ、端の席にしてくれたんだろう。 知っている長岡の隣の席にすれば、慣れやすいと。 接し方や話し方で優しい人たちだと伝わってくる。 そして、すごく気に掛けてくれている。 早く慣れるかどうかは置いておいて、早く役に立てるようになりたい。 「三条先生からいただいたお菓子も食べちゃお。 いただきますね」 「はい。 どうぞ」 挨拶に持ってきたお菓子を食べたりと残りの休み時間を過ごす。

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