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第24話

午後からは挨拶を含めた科の会議。 終わったら事務室で事務手続きについての説明。 みんな午後からの方が適用をはじめるだろうという気遣いなのだろうが、みんなが詰め込んだのでバタバタと時間が過ぎていく。 身体が1つしかないのが惜しい。 「先生」 「……」 「三条先生、定時になりましたよ」 「え…? もうですか?」 「もうですよ」 長岡の奥で五十嵐は伸びをしている。 そのまま上へと視線を滑らせれば時刻は定時を少し過ぎてしまっていた。 全然気が付かなかった。 それにまだ雑務は片付いていない。 視線を長岡に戻せば、学校でよく見た顔が優しくこちらを見ている。 「不要な残業はなしですよ。 早く帰れる時は帰らないと」 「それ書き終わって良いですから。 ただ、今日は残るのはなしです」 「はい。 分かりました」 「帰る支度しますけど、焦らなくて良いですから」 頷くと長岡は良い子だとばかりに頷き返した。 恋人ではなく、恩師としての長岡の存在に安心する。 「俺は1足お先に失礼しますね」 「はい。 お疲れ様でした」 「お疲れ様でした。 お気を付けて」 「ぁぁ…。 長岡先生、満点ですよ…」 「はい」 なんでかは分からないが、円滑に社会人生活がはじまった。

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