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第28話

頭をくちゃっと撫でてから場所を移動する。 部屋はあたたまりきっていないが、帰ってきた時よりはあたたかい。 だが、一応ブランケットを手渡すと「ありがとうございます」と律儀に返ってきた。 「あ、先にお茶飲んどけ。 待たなくて良いから」 「はい。 分かりました」 まぁ、返事だけだろうと思うが。 ジャケットをハンガーに引っ掛け、セーターも脱ぐ。 流石にセーターを脱ぐと少しひんやりする。 あちらは寒くないかと三条の方を見ればマグカップで暖をとっている。 「ブランケット被っとけ」 「あ…、はい」 「遥登抱き締めて暖とるんだからな」 「っ!」 ニヤッと笑えば、更にキョドる。 つい先程まで学校で見ていた姿も良いが、こちらの方が三条らしい。 ネクタイを外し、ワイシャツも脱ぐ。 急いで部屋着を着て身体の冷えを最小限に留めるが、そもそも部屋着が冷たい。 これは挿入に三条で暖をとらなければ。 最後にスラックスを履き替え、洗濯物を持って三条の所へと戻る。

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