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第39話

固いものに抱き付くと、まだぼんやりとだが意識が覚醒しはじめる。 あさ… 規則正しい寝息と、心音。 抱き付いている恋人はまだ眠っているようだ。 窓の外はうっすらと明るい。 時刻を確認しようとスマホへと手を伸ばすもあと少しが届かない。 寒いのか長岡の手ががっしりと自分を抱き締めている。 も…少し… 充電コードに爪先が届いた。 そのまま引っ掛けて手繰り寄せる。 満タンの画面には起きるには少々ばかり早い時刻が表示されている。 だが、昨晩の就寝時間を考えるとたっぷりと寝た。 例えるなら、綾登の睡眠時間だ。 朝ご飯作るか…? コーヒーなら飲むしコーヒー淹れる方が良いかな もう一度─既に2度寝はしているが─アラームが鳴るまで寝るのも良い。 スマホと枕元に置き、甘えるように恋人に抱き付き考える。 こうやって寝るのも久し振りだな 正宗さんの匂いしかしねぇ ずっとこうしたかった。 マスクもブランケットも、隔てるものがない状態で。 そんな気持ちが満たされていくと、またうとうととしてきた。

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