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第47話
外用の靴に履き替え、校舎裏へと向かう。
駐車場を通り過ぎ、フェンスの外へと出た。
悪いことをしているわけではないのに、なんだかドキドキする。
学生の時は学校時間中に校外に出ることなんてほぼなかったせいだろうか。
今日は野球部の練習もなく、先程までグラウンドで声を出していた陸上部もいつの間にかいなくなっている。
「こっち。
生徒が近道教えてくれたんだよ」
「俺も教えてもらって良いんですか?」
「三条は特別」
「っ!」
久し振りに聴いた三条呼び。
学生の頃に戻ったみたいでなんだか嬉しい。
ついはにかんでしまう。
「慣れてきたか?」
「正直まだ慣れるどこではなくて…。
なにが分からないかも分からない状態で、役に立てることと言えば電話番とコピー、ファックスくらいでしょうか。
みなさん、甘やかしてくれますからせめて少しでも役に立ちたいのですが」
「十分だろ。
担任は、どうしたって忙しくなる。
細々したことまで手を付けるのが遅くなる。
そんな時にそれを手伝ってくれる人が居てくれたら、それは天の助けにも思えるからな」
「そう…なんですか?」
「あぁ。
だから、甘やかされとけ。
必要な時は声をかけるから」
「はい」
穏やかな日常の中を歩きながら頷いた。
そうして暫く歩いていると、見慣れたコンビニが目の前に現れた。
「近いですね」
「だろ。
これなら貴重な昼休みの移動を短縮出来る」
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