48 / 59
第48話
「三条はなににする?」
「おにぎりにします」
明太子も美味しい。
五目も美味しい。
けど、梅干しですっきりするのも良い。
と言いつつも、新作も気になってしまう。
「野菜も食え。
味噌汁も」
いつの間にか籠を持っていた長岡は、サラダも籠に入れている。
良く見れば、インスタント味噌汁まで。
本当に過保護な人だ。
「分かりました」
「あと、古津先生に栄養剤かなんか見てきます。
ゆっくり選んでいてください」
「はい」
おにぎりに向き直り、今度こそ吟味する。
普通の量でも足りるので2、3個。
サラダや汁物もあるので大丈夫だろう。
明太子とツナマヨ、それから五目ご飯のおにぎりを選び、長岡を追い掛けた。
「決まった?」
「はい」
「なら、籠に入れてください。
一緒に買った方が早いですから」
身を屈め栄誉剤を選んでいた長岡は、棚から1本を選ぶとスラリとした指がそれを掴んだ。
「なら、俺が支払います」
「先輩を立ててください」
手の中のおにぎりも取られ、スタスタとレジへと向かう。
本当に、過保護だ。
ともだちにシェアしよう!

