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第48話

「三条はなににする?」 「おにぎりにします」 明太子も美味しい。 五目も美味しい。 けど、梅干しですっきりするのも良い。 と言いつつも、新作も気になってしまう。 「野菜も食え。 味噌汁も」 いつの間にか籠を持っていた長岡は、サラダも籠に入れている。 良く見れば、インスタント味噌汁まで。 本当に過保護な人だ。 「分かりました」 「あと、古津先生に栄養剤かなんか見てきます。 ゆっくり選んでいてください」 「はい」 おにぎりに向き直り、今度こそ吟味する。 普通の量でも足りるので2、3個。 サラダや汁物もあるので大丈夫だろう。 明太子とツナマヨ、それから五目ご飯のおにぎりを選び、長岡を追い掛けた。 「決まった?」 「はい」 「なら、籠に入れてください。 一緒に買った方が早いですから」 身を屈め栄誉剤を選んでいた長岡は、棚から1本を選ぶとスラリとした指がそれを掴んだ。 「なら、俺が支払います」 「先輩を立ててください」 手の中のおにぎりも取られ、スタスタとレジへと向かう。 本当に、過保護だ。

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