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第52話
ラーメンと炒飯が揃うと長岡は三条へと箸を手渡した。
いつものように。
だけど、同輩として。
その顔がなんだか珍しくて、つい視線で追ってしまう。
だが、それがバレないのは場所のお陰。
「食べましょっか」
「そうですね。
こういうのはあったかい内がいっちばん美味いですから」
「いただきます」
手を合わせると、まずラーメン。
「美味しいです!」
「良かった。
沢山食べてくださいね」
味噌ラーメンに野菜炒めと厚めに切られたチャーシューが5枚のっている。
厚みはあるがやわらかく、しっかりチャーシューの旨味が分かる。
野菜もシャキシャキだ。
胡麻油の風味もまた良い。
なにを食べても美味しい。
におい的に餃子が食べられないのがおしい。
「美味そうに食べますね」
「美味しいです!
チャーシューも厚いのにやわらいです」
「ですよね!
おすすめです。
あと、冷やし中華も美味しいですよ」
冷やし中華も気になる。
ラーメンも美味しいが、チャーハンもこれまた美味しい。
たまごに葱、ナルトに味付けも素朴なものだが、香ばしい味がする。
醤油だろうか。
それが後を引く美味さだ。
長岡も半チャーハンを食べ、美味いなと視線を寄越した。
ついいつもの空気になりそうだが、スーツ姿にセットされた髪型のお陰でそうこうこともない。
だけど、気を付けるに越したことはないのでしっかりと背筋をのばした。
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